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July 19, 2009
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カテゴリ:コメディ映画
 ゾンビの恐さとは、まず噛まれた人もゾンビになってしまうことです。実際ゾンビになってしまえば、自分がおぞましい姿になっているかどうかなんてことはわかりゃあしない。でも、生きてるときはゾンビなんぞになりたくないわけです。だから、映画の中では、噛まれたとわかると自殺しちゃう人もいます。

 そして、もうひとつ恐い点は、夥しい数のゾンビが襲ってくることです。ゾンビを倒すには、頭を吹っ飛ばさなければなりません。襲われた人たちは、銃を撃ったりや鈍器で殴ったりして迫り来るゾンビの頭をかち割ります。けれどゾンビは一人や二人じゃない。一体のゾンビの頭部を粉砕していると、次のゾンビが来る。またその次も来る。そしてゾンビは大群で押し寄せてくる。そのうちに応戦するのに疲れちゃって餌食になっちゃいます。

 もし、そんなゾンビがあふれかえる渦中におバカが巻き込まれたとしたら・・・。「ショーン・オブ・ザ・デッド」は、大胆にもゾンビVS.おバカに挑んだ映画なのです。

 ショーンはロンドンの家電販売店に勤めています。とろい彼のことを若手店員はなめきっています。優柔不断なために長年つきあった彼女から愛想をつかされます。そして、世の中にゾンビが蔓延し始めてもショーンは全然気付きませんでした。

 しかし、ショーンもついに立ち上がるときが来た。彼女と自分の母親を救出して、安全な場所に避難するのだ。

 イギリス人ショーンは、クリケットのラケットを持ち出してゾンビの頭をひっぱたき破壊します。これはオーソドックスな戦法だ。なにせこの映画、おバカが主役なのに、ゾンビたちはホラー映画のゾンビと変わりありません。人肉を食らったり、脳みそが吹き飛んだりなどリアルな残酷描写たっぷり。まさに通常のゾンビ映画におバカが紛れ込んだ感じです。

 ところが、ここらあたりがショーンの真骨頂。なんとかゾンビをかわしてショーンと母親、彼女、友達の一行は、避難先と目論んだパブ(ってのもおバカのひとつ)まであと一歩のところまで来ました。そうしたらパブの周囲はゾンビの群れがくろついているではありませんか。

 さて、どうやってパブまでたどり着くのか。

 そこでショーンが考えたのは、一行がゾンビと同化すること。ゾンビのように無表情でフラフラ歩きをしてカモフラージュしようというもの。

 確かに擬態というこのアイデアは今までのゾンビ映画になかった(当たり前)。けど、ゾンビってどうやって人間とゾンビを見分けていたのだろう。ゾンビは人間を食べるのだから、やっぱり臭いとか体温とかそんなところで察知しているんでしょう。

 だから、無表情とフラフラ歩きを装ってもゾンビを誤魔化せないだろう。ショーンたちも、必死にゾンビを演じていてもいつバレるかドキドキハラハラ。このおバカぶりは一見の価値が大ありです。

 「ショーン・オブ・ザ・デッド」と同じロンドン、イギリスを舞台とするゾンビ映画が「28日後...(2002)」、「28週後...(2007)」のシリーズです。こちらのゾンビは凶暴性を抑えきれず全力疾走する。さあ、そんなときショーンはどうする。ゾンビ集団に混じって走りまくり、フェイントをかけて急にショーンのグループだけコースをはずれるとか・・・。

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Last updated  July 20, 2009 04:55:40 AM
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