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テーマ:DVD映画鑑賞(14215)
カテゴリ:ホラー映画
だれかにお菓子をもらって、口にふくむ。あれ?このお菓子は食べたことがあるぞ、と。けれども、お菓子の名前やいつどこで食べたかは思い出せない。この味は、食感は、と過去の記憶をたどるのだが、たぐりよせることができない。 そこで「これ、何だっけ?」と聞いて、相手から「かるかんだよ」との答を得る。ああ、あの鹿児島のお菓子、と合点がいった。 同じように、『怪奇異星生物』も、なんだか見たような、記憶の底を耳かきでこそぎ落とすような(どんなんや?)もどかしい感触を味わった。 で、見終わってから調べたら、この映画は『原子怪獣と裸女(1956)』のリメイクとのこと。 けれど、ストーリー的には、ほとんど共通点はない。『怪奇異星生物』は、自分の父親は異星人だと信じている少年の話です。『原子怪獣と裸女』は、核戦争後の閉ざされた世界に放射能で突然変異を起こしたモンスターが出現するという内容。 『原子怪獣と裸女』は、世界原子怪獣3大傑作集として、大蔵映画の配給で公開された。ちなみに他の2本は、『美人島の巨獣(1952)』『吸血原子蜘蛛(1958)』。当時のポスターはお化け屋敷のノリで、いかにも恐いもの見たさを刺激するようなデザインだ。観客の方も、映画の中味よりも、異形のモンスターを垣間見られれば、とりあえず満足感を味わったのかもしれない。 リメイクといっても全然雰囲気がちがう映画なのに、では、なぜ見たような気持ちがしたのか。それは、森の中を徘徊するモンスターが、主人公たちの様子を覗き見るシチュエーションが共通していたからだ。共通しているのはそこだけなんだが、『原子怪獣と裸女』のリメイクと分かったら合点がいった。もどかしい気持ちが解消され、宿便がとれたようにすっきりした。 それはさておき、『怪奇異星生物』には、あのナスターシャ・キンスキーが出演している。 え~どうしてぇ?ナスターシャ・キンスキーといえば、あの『テス(1979)』のナスターシャ・キンスキーですよ。あの『パリ、テキサス(1984)』のナスターシャ・キンスキーですよ。 そのほかにも、世界の巨匠監督作品の常連ともいえる女優だ。 なぜ、そのナスターシャ・キンスキーが出演しているわけ?しかもキャスト順は2番目だし。彼女、いつもは、孤高というか、人と気軽にうちとけないような役柄が多いように思った。しかし、今回は、孤独な少年を守るために人々とかかわっていく、いわばフツーに愛情豊かなおばさんを演じていた。 ナスターシャ・キンスキーがモンスター映画に出るなんて、原節子がゴジラに出演するようなものではないか。 (ナスターシャ・キンスキーには『キャット・ピープル(1982)』などがあることはある。原節子も東宝特撮の1本に数えられる『日本誕生(1959)』があることはある。二人を並べたのは、小津つながりだ) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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