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テーマ:DVD映画鑑賞(14215)
カテゴリ:ホラー映画
人間より一回り大きい2m級だろうがビルを破壊する巨大級であろうが、モンスターが出現する映画をならば見ないわけにはいかない。 モンスター映画は、見るものを現実から非現実へと橋渡しする。最初はモンスターの存在など、人々は信じない。しつこく信じない。 その時点では、世界は現実味を帯びている。しかし、ついにモンスターが出現すると、一気に非現実的な世界に様変わりする。それまであった堅固な現実的世界は崩壊し、非現実が世界を支配する。この展開がたまらない。 モンスターのキャラクターやデザインが際立っていれば、ますます嬉しい。 ところが、モンスター映画は、いつもこちらの期待に応えてくれるわけではない。モンスター映画は、基本的にジャンク映画だ。映画の体を成してないものさえある。モンスター好きのぼくでさえ、最後まで見続けるのが辛いときがある。 『モンスター・オブ・ザ・デッド』も、なかなか困った映画だった。 まず、モンスターの造詣が悲しい。ビデオ・パッケージを見たとき、そこに描かれているモンスターが本当に映画本編にも出てくるとは考えなかった。パッケージの絵は、なんらかの誇張したイメージを表現しているとばかり思った。だってお笑い系でしょう、このモンスターは。 しかしながら、こんなモンスターが登場するのですよ。発泡スチロールのはりぼてだよ。 過去に数本、ぼくは、とても最後まで見ていられなくて、映画の神様に「ごめんなさい」と謝りながら途中でDVDを止めたことがあった。『モンスター・オブ・ザ・デッド』はそこまでではなかったが、なんとかついていったという程度のもの。それは、飽くまでもジャンク映画についての好事家としてのぼくの基準である。世間一般からしたら、椅子を蹴って席を立ってしまうかもしれない。 ところが、見ている途中で、暇に任せてふと音声を言語から日本語版に切り替えた。そうしたら、日本語の字幕はそのままだったので、本来のセリフと、吹き替えで言っているセリフが全然ちがうのが分かった。 通常の映画でも、音声と字幕の文字は、おのおのの情報量から表現が異なる場合がある。『モンスター・オブ・ザ・デッド』は、そんな程度の違いじゃなくて、吹き替えにおいては、エロネタを言っている。場合によっては、ストーリー展開とは無関係にエロネタを喋りまくっていた。 日本語音声には、「日本語通常版」のほかに「日本語 モンスターしゃべっちゃう版」もあった。実際の映画のモンスターは、ガオガオと吠えるだけだが、「しゃべっちゃう版」は無駄口をききながら襲ってくる。 まあ、本編がつまらないから、せめて日本語版では遊んじゃおうと思ったのでしょう。 ラストはこうだ。ニュースキャスターが話す場面。字幕は「私はこの目で確かめました。怪物は実在すると」それに対して日本語版は「私はこう思いました。モンスターくらい気合い入れて作れと」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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