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テーマ:DVD映画鑑賞(14214)
カテゴリ:ホラー映画
アクティビティの仇をエンティティ、フェノミナンで。 『パラノーマル・アクティビティ(2007)』は、公開される前年から前評判が高かった。低予算だが日本のホラー映画的な手法を使ったとっても恐い映画で、アメリカで大ヒットした、と聞いて一刻も早く見たくなった。 だから封切りの第1回目を見に行ったのだけれども、脱力した。 低予算で恐いということなら、そこに工夫があると楽しみにしたのに、はずれだった。 つぎに、『パラノーマル・エンティティ(2009)』を見た。こちらはパチモンである。知る人は少ないだろう。例によって、『パラノーマル・アクティビティ』というタイトルをうろ覚えの人が、まちがって見ちゃう類いの映画である。内容も似ている。もし、知らずに借りた人は、自分はあの『アクティビティ』を見たと思い込んじゃうかもしれない。 でも、両方見た者には違いが分かる。ぼくはこっちの方が面白かった。 エンティティでは悪霊がピンポイントで娘を狙ってくるところが恐かった。家にいたら襲われるというのでホテルに移動するが、そこにも悪霊が追ってきた。で、また家に戻ってくる。 ホラー映画では、登場人物が、恐怖地帯に自ら行ってしまうことがよくある。「そっちに行っちゃいかん。そっちに行けば、襲われるだろう。何で行くんだぁ」と見ている者が危惧しても、吸い込まれるように行ってしまって恐い目に遭う。 『エンティティ』においては、狙われた娘が一人きりになる。「娘が襲われるから、一人にするなよ」と見ていて思うのだが、相変わらず娘は夜一人で寝ている。そこにやっぱり悪霊がやってくる。 このへんのもどかしさが、恐怖感を醸し出した。 そして、『パラノーマル・フェノミナン(2010)』 カップルがホテルに来ている。突然お風呂にお湯が入る。「自動的にお湯が出るのか?」などと合理的に解釈しようとする。しかし、鏡に手形がついていたり、あるはずのない場所に髪の毛が落ちていたり、誰もいないのにドアがノックされたりする。 ホテルの一室という限定された空間の中で、ちょっと目を離した隙を狙って断続的に怪異が畳み掛けるところが恐い。 さらに、監督の白石晃士が登場する。 「ぼくのところにはこんなビデオがよく送られてくる。もう送ってこないでくれ」 そういっていやがっている様子を示してリアル感を出そうとしているわけだ。 これは「本当にあったことで、凄い内容のビデオですよ」と煽るよりも効果的だ。 この『フェノミナン』こそ、よほど低予算で工夫してつくってあるとぼくは思う。 金と時間と労力をかければ、一定のレベルの映画ができてあたりまえ。 でも、それらがなくても、工夫することでおもしろい映画はできる。 マイナー映画やパチモン映画は、ゲリラ的な楽しさがあるんだよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
January 30, 2011 09:16:07 AM
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