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カテゴリ:カンフー映画
藤岡弘は仮面ライダーではない。 しかし、ブルース・リーはドラゴンである。 そして、ブルース・リャンもドラゴンである。 カンフー・スターは、いつでもどこでもドラゴンなのだ。 カンフーのないブルース・リャンなんて見たことがない。 1974年のゴールデンウィーク、映画街は怒濤のカンフー・ラッシュだったんだぞ。 本命ブルース・リーの『ドラゴン危機一髪(1971)』 ”天皇巨星”ジミー・ウオングの『片腕ドラゴン(1972)』 はたまた 『怒れ!タイガー(1973)』チャーリー・チャン 『嵐を呼ぶドラゴン(1972)』チェン・カンタイ そして、ブルース・リャン、倉田保昭の『帰ってきたドラゴン(1973)』 (千葉真一の『殺人拳2(1974)』もあった!) なんという魅惑の連休であったことよ。 (ちなみにあの頃の地方映画館は、2本立て興行だったからね) そのチャーリー・チャン、チェン・カンタイ、そしてブルース・リャンが時空を超えて一堂に会したのが『燃えよ!じじぃドラゴン 龍虎激闘』だ。 思い返してみれば、『帰ってきたドラゴン』がかかっていた映画館の看板は倉田保昭がメインだったのだよ。 凱旋大将軍みたいにして、日本人倉田が大々的に看板に掲げられていた。 じつのところ映画では倉田は悪役。ヒーローはブルース・リャンだった。 この二人が繰り広げる疾風ハイスパート・カンフーには度肝を抜かれた。 猛ダッシュしてキック、パンチの応酬、また猛ダッシュして派手にバトルする。 それだけではない。 建物と建物の抜け道に来たかと思うと、倉田が両脚を広げて、両側の建物の壁に足を懸けて、ぎゅんぎゅんと上っていく。 不適な笑みを浮かべるブルース・リャンも、向かい合って同じように上っていく。 両者股を開いて両側の壁で自分自身を支え、ガンガン殴り合い突き合うのだ。 こんなアクション見たことない! ブルース・リャンは『必殺ドラゴン 鉄の爪(1972)』『無敵のゴッドファーザー ドラゴン世界を征く(1974)』などの映画のほか、倉田保昭のテレビシリーズ『闘え!ドラゴン(1974)』や『Gメン'75』にもゲスト出演していた。 映画はもとより、日本のテレビ番組にカンフー・スター=ブルース・リャンが登場するなんて、驚天動地のスーパーサプライズなできごとだった、個人的には。世間的にはどうだったか知らんが。 そんなふうに、力いっぱい目いっぱいアクションしたブルース・リャンだったが、カンフー・ブームが去り、いつしかその名前も聞かれなくなった。 と思っていたら、数十年のときを経て、ブルース・リャンは突然『カンフー・ハッスル(2004)』で奇跡の復活を果たした。 ブルース・リャンの役どころは、なんとバトルアクションするハンニバル・レクター、またはパンチとキックを繰り出すジャバ・ザ・ハット。。 あの二枚目スターでならしたあのブルース・リャンが、極悪非情の怪物悪役に変身したのだった。 往年のベビーファイスがよる年並みからヒールへの転向とは、プロレス界にはよくある展開だ。 そして今回、『カンフー・ハッスル』から約10年ぶりのお目見えは、じじいドラゴン。 この映画、ブルース・リャンが、老いたりとはいえ無敵の達人ぶりを見せるのかと予想した。 例え年をとっても、中国4000年の秘法拳法で大活躍、という筋書きを期待したのだった。 しかし、意外にも、格闘場面はリアルファイト路線であったのだ。 とうに峠をすぎ、思うように動かぬ体を駆使して、まさに、まさに死力を尽くして闘うじじいドラゴンの勇姿を見よ! 時の流れに身を任せ、さすらいのカンフー街道を漂ってきたブルース・リャン。 カンフー・スターは、いつでもどこでもドラゴンなのだ。 人気ブログランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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