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テーマ:DVD映画鑑賞(14215)
カテゴリ:ホラー映画
全部乗せラーメンって知ってる? 全部乗せラーメンは、チャーシュー、味付玉子、メンマ、ねぎ、のり などがどかっと入っているラーメンだ。 「豪勢でいい」と思うだろう。 ところがだ、案外何のラーメンを食べてんだか分かんなくなってしまう。 チャーシュー麺であれば、チャーシューの食感や味付け具合を何枚もじっくり楽しむ。 あるいはスープをすすり、麺を噛みしめながら、半熟味付玉子をどのタイミングで口に運ぶかを考える楽しみ。 単品のトッピングであれば、そんな食べ方ができる。 しかしながら、全部乗せでは、何かノルマのようにつぎつぎにトッピングに挑まなければならな い。 ある店では、「店主盛」という全部乗せのメニューがある。 ここのラーメンが好きで、「うわっ、チャーシューもターローも一度に食べられる」と喜び勇んだものの、実際食べてみると、チャーシューとターローが相殺してしまって、とても残念だった。(これは個人の感想です) さて、『ヴァン・ヘルシング』である。 もともとエイブラハム・ヴァン・ヘルシングは、小説『ドラキュラ』に登場する老学者である。 ヴァン・ヘルシングが、吸血鬼ハンターとしてのキャラクターを際立たせたのはハマー・プロダクションのドラキュラ・シリーズだ。ピーター・カッシングが演じるヴァン・ヘルシング教授は、知力を駆使し、大胆なアクションでドラキュラとの攻防戦を繰り広げる。 吸血鬼ドラキュラは、不老不死、変身能力があって、人を襲っては生き血を吸い尽くす。そのような恐ろしい存在なのだが、十字架、聖水、ニンニク、日光などの弱点がある。 カッシングのヴァン・ヘルシングは、特別な力をもっているわけではない。ごく普通の人間なのだが、果敢にドラキュラに立ち向かい、吸血鬼の弱点を突いて追い詰める。ドラキュラの超自然性や強大な力に恐れをなさず、冷静に闘えばただの人間でも活路を見出せるのだ。 普通の人間であるヴァン・ヘルシングが、どんな手立てでドラキュラに立ち向かうのか、それがドラキュラ・シリーズの楽しみ。 そんなヴァン・ヘルシングの活躍は、勇気を与えてくれる。ノスフェラトゥ(不死者)というとんでもない魔物であっても、知恵と力で人間が立ち向かえることを教えてくれる。 しかし、映画『ヴァン・ヘルシング』のヴァン・ヘルシングはスーパーヒーローである。ドラキュラに負けず劣らず不死身の男で、映画の舞台である19世紀まで400年の長きに渡って生きてきている。また、特殊な武器を使ってモンスターを駆除する。さらにクライマックスでは、自らモンスターに変身してドラキュラと闘う。 映画に登場するモンスターも、ドラキュラだけではない。フランケンシュタインの怪物、狼男、ジキルとハイドなど。 これをホラー・アクション映画の全部乗せと言わずなんと言おう。 まあ、ヴァン・ヘルシングを主人公とした映画だから、ヴァン・ヘルシング自身をグレード・アップする必要があるだろうこともわかる。しかも、主演が当時売り出し中のヒュー・ジャックマンだから、ド派手に行きたかったのだろう。 まあ、ジェットコースター・ムービーを期待する向きにはいいだろう。 だが、単純な全部乗せになってしまっているからいけない。 モンスターの魅力やヴァン・ヘルシングの個性を際立せるには至っていない。(これは個人の好みです) 斯くなる上、ニンニクをたっぷり入れたラーメンを食べにいくぞ。 人気ブログランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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