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July 19, 2015
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カテゴリ:ホラー映画


 
 『ザ・アブノーマル』は、心霊ホラーとサイコの対決と見た。

 超常現象が起こらなければ、ホラーとはいわない。
 と、当方は考える。
 だから、サイコパスの殺人鬼(=人間)が登場するスラッシャー映画などは、ホラーではない。
 と、当方は考える。

 モダン・ホラーの帝王といいわれるスティーブン・キング。
 彼の『ミザリー(1987)』、小説の方はおもしろくて夢中で読んだ。
 けど、サイコものであって超常現象は起きない。
 だから、その点では物足りなかった。

 という具合に、当方の中では、超常現象はポイントが高いんだな。
 どうしてそうなのか?
 そのあたりを『ザ・アブノーマル』で探ってみたい。

 この映画は、3つのパートに分かれている。
 2008年、1998年、そして1888年の3つだ。

 2008年。
 このパートは心霊ホラーのテイストだ。
 3人組の若者(男1女2)が、無免許で車を乗り回すうちに、森の中の一本道に入り込む。
 すれちがう車もないなぁと思っていたところへ彼らを追い抜いていく1台の車。
 「運転手が乗ってない」
 さらに、その車を追い越してないのに、なぜかまた後ろから接近してくる。
 「もう引き返そう」
 「ちょっと待って、あの木、何度も見てる」
 そして、ビニール みたいなものをかぶった女がふわりふわりと歩いていく。
 運転手のいなかったはずの車が発火し、車内に大やけどの女が。
 あの女は誰なのか。
 いったい何が起こっているのか。
 なぜ3人組のうちの男女2人は殺されてしまったのか。

 1998年。
 森の一本道でオーバーヒートする車。
 若い姉妹が乗っている。
 通りかかった青年に、水を所望する。
 青年は水を提供するような素振りを見せて姉妹を自分の家に連れて行き、二人を監禁してしまう。
 鎖に繋がれる姉妹。
 妹の方は、殴り殺される。
 脱出を試みた姉は、車ごと焼き殺されてしまった。
 このパートはサイコテイストを志向しているようだ。
 ちらっと霊も出てくるが。

 1988年
 最後のパート、サイコテイストはノーマン・ベイツのテイストをおびてくる。
 さっきの青年は、まだ小学生だ、
 そして、小学生のおかあさんは、気が強く恐い。
 母役の女優さん、顔つきがキツイよぉ。
 おとうさんはやさしいが情けない。
 男の子はおかあさんにこきつかわれて家事などやらされている。おかあさんのところに男が来ると、戸棚に閉じ込められてしまう。
 そして、ショッキングな事件が起こる。
 男の子がトラウマからサイコパスになっちゃうわけだよなって話。

 心霊ホラーというのは、あの霊は誰なのか。 いったい何が起こっているのか。といったあたりで心持ちが不安定になる。

 サイコものは、その人の行動が理解できないところが見る人の心持ちを不安定にする。
 たとえば、スティーブン・スピルバーグの『激突(1971)』。

 デイヴィッドは、ハイウェイを走行中に、のろのろ走っている大型トレーラーを追い越した。そうしたら何が気に障ったのか、大型トレーラーは、デイヴィッドの車をしつこく追いかけてくるではないか。鬱陶しくなったデイヴィッドは、トレーラーを先に行かせた。そうすると、今度は行く手を妨害したりする。

 なんとかトレーラーを振り切って、踏切でデイヴィッドは沢山の車両をつなげた貨物列車が通り過ぎるのを待っていた。その後ろからトレーラーが音もなく近寄りぐいぐい押してきたではないか。なにするんだ⁉︎列車にぶつかってしまうじゃないか!デイヴィッドは必死にブレーキを踏む。やめろ!叫びながら踏みとどまり、なんとか貨物列車が行き過ぎた。

 デイヴィッドが警察に通報しようと電話ボックスに入ると、トレーラーはそこを狙って走ってきて電話ボックスをクラッシュさせた。間一髪逃れるデイヴィッドだった。

 かと思えば、こんなこともある。
 小学生の乗るスクールバスがトラブルで立ち往生している。
 デイヴィッドに助けを求めるスクールバス。
 そこに忍び寄るトレーラー。
 子供達を狙っているのか?
 「あぶないぞー」と警告するデイヴィッド。
 と、思ったら、トレーラーはスクールバスを後ろから押して、助けてやるではないか。子供達は大喜び。そしてデイヴィッドの方が変な奴に思われてしまう。

 という具合に、デイヴィッドとともに感情移入している観客の神経まで逆なでするのがサイコだ。サイコは、押したり引いたり緩急自在にターゲットをいたぶり、観客や読書を不快で不安定な心持ちにする。

 けど、『ザ・アブノーマル』のサイコ青年は、サイコになった原因から行動に現れているものまで、ストレートでわかりやすい。そうすると、残虐行為はするものの、不安定な心持ちにはなりにくい。つまり、サイコによるコクがたりないと感じてしまうのだ。

 じゃあ、心霊テイストの方はどうか。サイコ青年をとり殺した霊は、怨みを晴らしたわけだ。しかし、霊の本望がそこにあるならば、なんでパート1で少女たちを殺したんだろう。そこを考えると、とても不安定な心持ちになってしまいました。

 さてさて、心霊ホラーとサイコの対決だが、この『ザ・アブノーマル』に勝敗が示されている。サイコは、人間だから死ぬんです。どんなにしぶといサイコも死を免れることはない。『激突!』も、トレーラーが崖から転落して一件落着する。死ねばそこで決着がつく。
 しかし、超自然現象の幽霊、魔物、モンスターは死ぬことがない。一旦消滅したとしても復活してくる。だから、超自然現象の方がこわいってわけ。


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Last updated  July 19, 2015 08:22:47 PM
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