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November 1, 2015
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カテゴリ:SF映画

 『インターステラー』はハードSF映画である。
 ハードSFとは、「最新の物理学的、あるいは天文学的な知識に基づいた科学的な作品」とのこと(Wikipediaより)。
 荒唐無稽、ご都合主義ではなく、きちっとした科学的根拠があってお話がつくられているわけだ。

 するってぇと、宇宙怪物や光線銃などは登場しないってことだ。
 言い換えるとハードSF映画は、「リアル」なSF映画ということか。

 『インターステラー』の中には、五次元だの相対性理論によるウラシマ効果だのといった話が出てくる。
 これは、ちょっとむずかしい。「ハード」ってのは「むずかしい」という意味もあるからな。
 しかし、SFの中でこのむずかしさを愛好する人たちもいるわけだ。むずかしいけれどリアルだから説得力があり、納得できるんだろうな。

 当方のSF映画初体験は、『マックイーンの絶対の危機(1958)』としよう。
 これは、ハードSFではないね。宇宙から飛来したゼリー状の物体がアメリカのとある街を襲い、それを(科学的に)どう撃退するかっていう話だから。

 そのつぎは『ミクロの決死圏(1966)』。この映画には、SFマインドを強く刺激された。けど、『ミクロの決死圏』は、質量保存の法則からすると、ご都合主義ともいわれてしまう。そうするとハードSFではない。

 そして、子供のころ見た映画で、とっても衝撃的だったのが『猿の惑星(1968)』でありハードSFの代名詞のような『2001年宇宙の旅(1968)』だ。
 『猿の惑星』も『2001年宇宙の旅(1968)』も、インターステラー(星と星との間を航行すること)を扱っている。

 その頃、マンガ雑誌の豆知識コーナーで、光速航行と年齢の関係について知った。お父さんが光速ロケットで宇宙に行って帰ってくると、子供の方が齢をとっているというのだ。光速で移動しているものの時間経過は、地球での時間の経過より遅くなるそうだ。
 これは「ウラシマ効果」といわれるものだ。アインシュタインの特殊相対性理論によって説明されているとのこと。

 『インターステラー』には、その豆知識と同じようなエピソードが出てくる。そのへんまではついていけた。
 けど、頭がこんがらがったところも随所にある。
 たとえば、水の惑星の時間経過は、地球と異なる点。水の惑星の1時間は、地球の7年なんだと。
 映画の中では、宇宙船に残る人がいて、水の惑星に行く人がいた。水の惑星に行った人たちは、さっさと用事をすまして、できるだけ早く宇宙船にもどったのだが、宇宙船にいた人は23年間も待たされていた。

 このエピソードでは、水の惑星で数時間ですごした人たちは、一挙に23歳も齢をとってしまった仲間を見て、自分は長生きをして得をしたと思うのか?
 本人の体感時間は、あくまでも数時間だからねえ。どう理解すればいいのだ?

 そのほか、5次元の話とか、ストンと腹に落ちていないところがまだあるが、だからこそハードSFの面目躍如やね。

 そんなふうにひっかかるところは数あれども、監督であるクリストファー・ノーランのヒューマニズムは十分に納得することができた。その点では、彼が以前に監督した『ダークナイト(2008)』に似てるなあ、と思った。

 そして、映画の芯をシンプルに見てみれば、主人公が大きな目標のために様々な困難を乗り越えていく話だ。そういう意味では、宇宙の星々ではなく、大海原の島々を巡り様々なクリーチャーを倒していくファンタジー映画『アルゴ探検隊の冒険(1963)』と同じストーリーラインとも言える。むずかしいところにこだわらなければね。


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Last updated  November 1, 2015 09:39:43 PM
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