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テーマ:DVD映画鑑賞(14213)
カテゴリ:ホラー映画
『回転』は、Jホラーの原点ともいわれるイギリス映画。 当方、この『回転』と『たたり(1963)』の2本は、非常にエクセレントなホラー映画だと思う。 「絶対に迷惑をかけないこと」 「自分で責任をとること」 ミス・ギデンスは、郊外の大邸宅に住む幼い兄妹の家庭教師に応募した。 そうしたところ、依頼主の兄妹の叔父が、これらふたつの条件をつけてきた。 この家庭教師とは、受験をめざすために勉強を教える人とは趣きがちがう。 この時代、大富豪の子供達は、学校へ行くのではなく、自宅で家庭教師から必要な学問や教養を教わったのだ。 そして、この映画では、完全住み込みで、ベビーシッターこみの家庭教師となっている。 デギンスが、大邸宅に出向いたところ、妹のフローラはとても愛らしい少女だった。 豊かな自然に囲まれて、デギンスは、幸福感に包まれて仕事を始めた。 しかし、寄宿学校を退学になった兄のマイルズが帰ってきた。 そのあたりから、デギンスの周辺で不可解なできごとが起こり始める。 この映画は、閉塞感に包まれている。 「絶対に迷惑をかけないこと」 「自分で責任をとること」 子供達の両親は、すでにこの世にはいない。 不本意ながら子供達を保護した叔父は、自分の仕事が忙しいため、家庭教師にこのような条件をつけたのだ。 これはつまり、本来保護者となるべき叔父に頼ることはできないという閉塞された状況がある。 子供を育てるというのは、ひとりの家庭教師に責任を負わせるべきものではない。 子供は、愛らしく、手がかからないときばかりではないからだ。 任された方は、子供のよりよい育ちについて、判断に迷うようなことは多々ある。 それなのに、困ったときに相談もできないとあれば、家庭教師の負担感はとても大きい。 また、広大な敷地に建つ大邸宅も、住んでいる人間は数人である。 幼い兄妹、家庭教師、そして数人の使用人である。 たとえ屋敷が大きく、広くても、いつも顔を合わせるのは同じ人間である。 とりわけ、家庭教師と幼い兄妹が勉強をしている場面がある。 この教室は、いつもこの3人なのである。 来る日も来る日も3人だけ。 この環境で、子供の社会性は育つのかと疑問をもつ。 家庭教師のデギンスにとっても、毎日、四六時中少数の同じ子供と大人とつきあっているわけである。 それが仕事とはいえ、ストレスも大きいだろう。 そんな環境の中で、デギンスは、この世に存在するはずのないものを目にするようになるのだった。 じつにエクセレントなホラーである。 映画(全般) ブログランキングへ 皆様のおかげでランクアップしています。これからもよろしくお願いします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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