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テーマ:プロ野球全般。(13400)
カテゴリ:Baseball
念仏の鉄さんが斉藤雅樹について2本も書いてくれたので、自分も彼について書こうと思う。
彼は昭和の終わりと共に頭角を現し、90年代最強のエース。 平成の大エース、ミスター完投勝利の異名を誇ったのだが、同時に巨人史上最も華のないエースだった。 そもそも、私の同年代は投手ではみんな桑田に憧れていた。 でも、89年、小学校1年生の時に巨人ファンになった私の、最初の10年くらいの野球観戦はこの年に20勝を取った斉藤雅樹と共にあった気がする。 誰よりも勝ちを重ね続け、最後まで投げぬくのは斉藤だった。 2年連続20勝、11連続完投勝利、5度の最多勝、3度の沢村賞などなど偉大な記録… そんな彼が、私は巨人の投手で最もかっこよく映っていた。 成績で彼のすごさを見てみよう。 探したらこの頃の巨人3本柱(斉藤、桑田、槙原)の通算成績を見つけた。 ------------------------------------------------------- 通算勝率 斎藤 180勝*96敗 .652 槙原 159勝128敗 .554(斎藤を上回るには82連勝が必要) 桑田 172勝133敗 .563(斎藤を上回るには78連勝が必要) 通算防御率 斎藤 2.77 槙原 3.19(斎藤を上回るには43連続完封が必要) 桑田 3.47(斎藤を上回るには75連続完封が必要) 投手4冠獲得 斎藤 12 最多勝5、最優秀防御率3、最多奪三振1、最高勝率3 槙原 *0 最多勝0、最優秀防御率0、最多奪三振1、最高勝率0 桑田 *4 最多勝0、最優秀防御率2、最多奪三振1、最高勝率1 ------------------------------------------------------------ 3人の中でもずば抜けた成績であることがわかる。中でも180勝で100敗もしていないのは驚異的である。ちなみに、これだけ投げ続けて通算2点台の防御率を持っているのはこの30年で江夏、大野、斉藤の3人しかいない。また、彼は89年と90年に20勝を挙げているが、この2年で完封13、完投40という今では考えられない記録を残している。 彼の球速は大体最高148キロくらいだったが、サイドスローなので、ストレートがスピード以上に伸びた。 球が伸びるときは最早誰も打てない。 他の変化球のキレも、特に高速スライダーには只ならぬものを感じた。 斉藤を見ていて最も好きだったシーンは外国人バッターにそのスライダーを投げるときだった。 捕手が左手を右にめいっぱい伸ばさなければ後ろにそらすくらいのボール球を外国人は面白いように空振りする。 かなり後に気づいたが、MLBにもあんな球は存在しない。 だから外国人選手はみんなあれに全く対応できなかったのだろう。ネットで書いてあった話によると、ヤクルトにいたパリッシュなんかはあまりにも斉藤が打てずにいたので、彼の投げる日にはスタメンを外されていたことがあったくらいだそうだ。 子供ながらに非常に愉快な光景だった。 歳を重ねるにつれて投球数も増えて行き、斉藤に衰えを感じ始めたのは96年に150勝を挙げた試合だった。 この日のうちに決めてしまいたいと本人も首脳陣も思ったのだろう、延長に入っても斉藤は続投した。 12回、180球近い投球を続け、ついにこの回に代打を告げられてしまう。 しかしその直後、1番の仁志がサヨナラホームラン。 斉藤は150勝を達成した。 が、この試合を境に彼に元気がなくなる。少なくとも私にはそう感じていた。 この年は16勝4敗、防御率2.36を記録して最多勝と最優秀防御率を記録したが、翌年から故障に悩まされ、本来の投球が出来なくなってしまったのだ。 一時期は復活の匂いはあった。 ストレートが遅くなっても変化球を駆使して丁寧にコーナーへ投げ分ける投球で、これが上手く長続きすれば工藤のようにまだまだやれたはずだった。 しかし、故障は後から後からやってきて、ついに2001年に彼は引退した。 彼はエースでありながら、その人の良さは誰もが認めるところだった。 毎回くったくのない(?)笑顔で試合後のヒーローインタビューに「そうですね~」と口癖を言って切り返す斉藤を、大好きな人も多くはなかったかもしれないが、敵でも大嫌いな人はほとんどいなかったと思う。 そんな他の選手には出せないような雰囲気。 華のなさも、彼らしいといえば彼らしかったような気がする。 コーチを退団後、初めてすぽるとのレポーターを緊張しながらおどおどしていた彼も、まったりと解説する彼も憎めない存在感を出している。 エースの自覚として印象深いエピソードがある。 一度、珍しく彼が2回くらいでKOされたことがある。 余程悔しかったのか、彼は中5日でローテーションを回していた中で中3日での先発を直訴する。 シーズン終盤とか日本シリーズとかではなく普通のペナントレース、しかもまだ6月くらいだったと思う。 その試合、7回くらいまで1失点で乗り切り、彼は勝ちを取り戻した。 エースというのは少しでも長く投げることが使命だとはよく言われるが、この日の斉藤を見て私はエースのもっと深いものを知った気がした。 しかし、その後こういうことをする投手はほとんど見たことがない。 今の巨人の投手陣を見てため息が出てしまうのも、彼レベルの投手をどこか追い求めていてしまっているからだと思う。 上原のように実力では拮抗している(ように言われているだけで私はそう思わない。笑)投手でも、巨人への愛情のなさや献身さに物足りない。他の投手も、トータルでかなう投手は見当たらない。 まぁ、無理な話なのだろう。 最後に、確かに斉藤は200勝はできなかった。 当時は残念で仕方なかったが、最近は個人的にそれでもよかったと思える。 名球会なんて華のあるというか脂っこい世界、正直彼には似合わないのだ(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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