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Atletico Tokyo~アトレチコ東京~

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2005.08.31
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カテゴリ:Others
あの9.11からもうすぐ四年が経過しようとしている。今思うと9.11は、表面に覆いつくされて「なんだかんだそこにあると思っていた」平和の化けの皮が剥がれた日、と表現するべきか。私の世代は物心ついたときには冷戦も既に終わっていて戦争の驚異なんて身近には考えたこともなかったから、世界のどこにも安全な場所なんてない、と思い知るには充分だった。


念仏の鉄さんのところで戦争について語ったが、なんかあれでは自分でも全てを言い表してる気がしなかったので、整理されているかは分からないが私の観点から考え直してみた(ちなみに私は1980年代前半の生まれだ)。



最近よく若者の、戦争に対するリアリティのない感覚が取り上げられる。言われる若者としていい気分はしないが、なぜそうなのか考えると推測できなくもない。日本は平和ボケをしているとはいえ、私はいくつかの段階があると思う。

冷戦というのはいつまた日本が戦争に巻き込まれるかわからない状況で、しかし戦争を知る世代が主流だったから「戦争はいけない」とリアルに語られた時代だ。
ところが冷戦が終わり、日本そのものは戦争から無縁となる時代が10年ほど続くことになる(例えば湾岸戦争で日本そのものがどうかなるということは考えにくかった)。私が育ったのはこの時代だが、考えているうちに、自分の生活に危険もなく戦争のリアルを知る機会もなかなか無い、この二重の平和ボケ(という言葉がいいのかはわからないが、そう書いておく)が問題なのではないかと思うようになった。


戦争というのは、私は命とセットに考えている。合理的に考えれば、戦争はいくらでも肯定できてしまう可能性がある。



命とか戦争とか、それまでにもいくらでも考えたことはある。しかし私にとっては9.11は、それを初めて身近に考えるようになった出来事だった気がする。北朝鮮の核よりも上だった気がする。


※念仏の鉄さんのコメントのところでは、これが人生で最も戦争を考えるようになったと書いた。私にとってはそうだし、私の当時の生徒も2001年当時はそう答えていたが、今の若者全てがこういう意見ではない、と表現が曖昧だったので訂正しておく。例えば今日高校生の知り合いから聞いた話では、強国アメリカよりもマドリードでのテロの方がショッキングだったと言っていたし、ここは差があるだろう(私がどうだかはわからないが、みんなが米国を一体視しているわけでもないということだ)。ただ、「テロ」が何かみんなを震わせて、心を揺り動かしている何かなのは間違いないのだと思う。




何か戦争とか大災害が起きたときに、大集団で黙祷は捧げても、それは誰かが言い出していることである。それ自体がいけないというわけではなく、そういったときの自然な反応というのはそれまであまり感じたことはなかった。でも、このテロのとき、私はそれをたまたま感じる機会があった。



テロから4日後、2001年9月15日、横浜スタジアム。
この日、大好きなMr.Childrenのライブがあった。彼らのツアーは毎回2度ずつ参加する私は、わずか1ヶ月前に行われた同じライブの興奮を覚えていた。しかし、その時と盛り上がりが明らかに違う。観客はみんなどこか重い(実際、この日のライブレポートで、私と同じように複数回参加したファンの多くが同じ反応だったし、桜井氏自身後日にそれを認めていた)。間違いなく、多くの人々が9.11のショックを引きずったままここへ来ていた。

中盤、「マシンガンをぶっ放せ」という曲を演奏した。フランスの核実験当時に作られた、毒を持って毒を制す戦争批判の曲だが、このときにスクリーンに出されていた戦争を描くアニメ、「この現実に目を向けなさい」と歌う桜井氏の言葉が最も重苦しかった。

そして、それまでのMCでも戦争には触れなかった桜井氏は、アンコール、最後の曲の前にそのことを静かにゆっくりと話し始めた。はっきりと何を話したのか覚えていない。「これまでレコーディングしていた場所の近くの、知らない風景が出ていてゾッとした」「いろいろなことを考えさせられた」「せめて今自分たちができることをやりたい」といったことだったと思う。少なくとも私は少し気が楽になったのだった。

彼は直前まで切り出すことも迷ったそうだし、別にそこで特別心に残ることを言ったわけではない。でも、3万の観衆は、4日前に起きた受け入れがたい現実、自分たちが苦しんでいる言葉にできないものについて触れてくれて、その苦しみを共有できた。本当に誰が作ったのでもない。そもそも戦争反対を訴えることを目的に来ている観客は誰もいない。でも、だからこそ逆に偽善も何もない大人数が平和を考えるイベントになったのかなと、あのとき思った。


9.11が残した負のダメージは計り知れないけれども、私はそこから何か正の大きな力も少しずつ働いている気もする。先のMr.Childrenは4年前以降明らかに変わっている。元々考えさせる詩を書く彼らが戦争や平和をもっと突っ込んで深く考えている。そしてそれに多くのファンが共感して、何かを考えようという契機にはなっている。


この国において戦争のリアルは失われ始めているし、教育もそこから逃げ気味だけれども、こんな時代だからこそ、そこで何が行われているか、起きている現実をいつも直視しようと意識するのが必要なのだろうと思う。




…あまり整理できた感じがしないが、とりあえず今日はこれで。





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Last updated  2005.08.31 18:53:48
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