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カテゴリ:スペイン
スペイン4日目。
この日はセビーリャに向けて出発です。 最初はグラナダに続けて2泊する予定だったのですが セビーリャで2年の一度のフラメンコの祭典が、この時期行われていて 9月19日におさむの好きなフラメンコギターのトマティートが演奏する ということで、この日はセビーリャに行くことになりました。 グラナダはまた後日戻ってくることに。 と、この日の朝、起きたら、何とすでに11時半。 9時間以上(おさむは12時間!)も眠っていました。 ずっと睡眠不足だったので、身体が睡眠を欲していたのでしょうね。 起きてすぐに支度をして、セビーリャに出発し グラナダから、車で2時間ちょっとで、セビリア市内へ到着。 が、グナナダの時と同じく、道が迷路のように入り組んでいて ホテル近くの狭い路地を車でうろうろ回ってみても 通りの名前も書いていなかったり、どこをどう行っていいのか全くわかりません。 とりあえず、一時停車する場所を見つけて、車を止め そこから歩いて、また狭い路地をさまよって、ようやくホテルを見つけました。 ホテルは駐車場がついている、という話だったのですが 結局一杯でないということで おさむはまた駐車場を探しにまた出かけます。 ホテルの部屋は、一応ベッドルームとリビングとが分かれていて そこそこ広く、広いバルコニーもついています. (ひさしがなかったので、暑くて出れなかったけど) おさむがやっと駐車場を見つけて戻ってきてから、食事に出かけます。 このあたりもいい雰囲気。 とりあえず、すぐに開いているレストランに入りました。 もう夕方5時になっていて、ようやくこの日、最初の食事です。 お店はきれいで、前菜、メイン、デザート、ワインがセットになっている セットを頼んだのですが、お味はまあまあでした。 この時間に開いていることもありますが まさに観光客向けの店という感じです。 それから街をぶらぶらと歩きます。 ヒエルダの塔。 スペイン最大級の大聖堂だそう。 時間になると、鐘が一斉にこのあたり一帯に鳴り響きます。 世界遺産の宮殿、アルカサルの入り口。 アルカサル近くで歌っていた女性。 とてもきれいな歌声。 一心に絵を描いていたおじさん。 まだ開演まで時間があったので、近くのカフェで時間をつぶしていたら 近くでフラメンコの演奏が始まりました。 ギターの演奏もダンサーも上手いです。 昨日のタップ中心の踊りとは違って、優雅に舞うようなフラメンコ。 開演は9時30分なので、9時頃アルカサルへ行くと もうすでに半分ぐらいの人が中に入って、座っていました。 宮殿の庭に舞台が作られています。 この2年に一度、セビリアで開かれるフラメンコの祭典は、ビエナルの祭典。 (なぜか無限大の印) ショーが始まると、色とりどりの照明がつきます。 ペルーやメキシコの世界遺産で見たナイトショーを思い出しました。 開演の合図で、出演者が出てきました。 ギターのトマティートの他は、2人のギタリスト、2人のパーカッショニスト 2名の男性ボーカル、1名の女性ボーカル、そしてダンサーの合計9人です。 最初の2曲は、例えて言えば、ジプシーキングスの曲のような 比較的、典型的なフラメンコのリズムの曲でしたが やっぱりトマティートがすごすぎる。 私は前日、グラナダで見たフラメンコのギターの人がとても上手かったので おさむに「トマティートって、このギターの人より上手い?」 などと質問したのが、いかにアホな質問だったのかが、最初の音を聴いてわかりました。 なんと言っていいのかわかりませんが、上手いとか、そういう言葉で表現するものを超えています。 音も全然違うのですが この人の存在そのものが神がかっている、というのか 発しているエネルギーそのものが違うという感じです。 2曲が終わって、トマティートと他の2人のギタリストのみを残し 他の人たちは一旦、舞台から退いて 3人での演奏が始まりました。 二人のギタリストの控えめなアルペジオに合わせて トマティートがソロを取って、スローなメロディーを弾き始めた途端、 私はもう涙がボロボロと止まらなくなりました。 音楽を言葉ではとても表せないですが シンプルで哀しみを帯びた美しいメロディーと 心の奥底まで響いてくるような深いギターの音色に 完全にノックアウトされた感じです。 これまでの人生で、たくさんのギタリストの演奏を聴いてきたけど こんなギターの音は、聴いたことなかったなあと。 彼の演奏はもちろんですが、音響も素晴らしくよかったということもあるのですが。 CDではどうやっても、あそこまでの深い厚みのある音を聴くことはできないですから。 その他、私の好きなピアゾラのミロンガをアレンジした曲や パットメセニー&チャーリーヘイゲンのミズーリスカイのアルバムの中の曲など (名前がわからないけど) 私が好きな曲を何曲か演奏したので、さらに幸せでした。 またトマティート以外のミュージシャンもまた素晴らしい。 ギタリスト二人は、伴奏に徹している感じでしたが ボーカルもパーカッションもよかった。 ダンサーが踊ったのは、全部の曲の中で3曲のみでしたが これまたすごいタップのテクニックで、まるで機会仕掛けで動く人形のような足と 美しい舞とで、すべてが完璧すぎるぐらい完璧でした。 最初にトマティートのことをおさむから聞いた時には フラメンコギターにそこまで興味がなかった私は 「パコ・デ・ルシアは聞いたことがあるけど トマトみたいな名前の人がそんなにすごいの?」 という感じだったのですが (トマティートとは小さなトマトという意味) おさむが 「のりこ、すごいなんてもんじゃないよ、トマティートよ、トマティート。 トマティートが世界遺産アルカサルで演奏するのよ」 というので、おさむがそこまで言うのだから きっといいんだろうな、ぐらいの感じでした。 おさむがトマティートはフラメンコフュージョンと言っていたのですが 確かに、これはフラメンコというジャンルを超えているなあと。 おさむと「もう天国だね」「最高に幸せだね」と何度も言い合いましたが 本当にこんな音楽にセビーリャで出会えるなんて なんという幸運なのかしら。 写真撮影は禁止だったので、アンコールの時に一枚だけ撮ったトマティート。 ということで、夢のようなコンサートが終了し、興奮もさめやらぬまま バルに飲みに行きました。 もう11時近くになってましたが、どこの店も外まであふれるほど 人が一杯です。 スペイン人ばかりがいる小さなバルに入って タパスをつまみにワインを飲みます。 赤ワインが上手い~~ バルの壁一面に飾られていたアンティークのラジオ。 帰りも迷路のような道を歩いて、ホテルに戻ります。 こうして、一夜だけのセビーリャの夜は終わりました。 またいつか、この街に来ることがあったらいいな。 夜のヒエルダの塔。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014年09月24日 19時33分00秒
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