ロシアの高級チョコレート「コミリフォ」
ロシアに高級チョコレートが登場しました。ソ連時代から数々の有名なチョコレートはあるものの、苦味なく砂糖の味が強い駄菓子のようなものだったこの国。(それはそれでおいしいんだけど。)バブリーな昨今の風潮に乗り、ついに輸出可能な高級品の生産に乗り出したらしいのです。ロシア国産高級チョコレート、その名はコミリフォ。従来、ロシアで「コミ」やら「コム」とつけば、「コミンテルン(共産主義インターナショナル)」とか「コミンフォルム(共産党情報局)」とか「コムソモール(共産青年同盟)」などなど、コミュニズム(共産主義)の略語でありました。てっきりこれもそんな略語、と思いつつ「コミーリフォください」とコミの後を伸ばして発音したら、「ああ、コミリフォーね」とお店のおばちゃんに笑われる始末。なんとこのチョコのコミ付の名前は共産主義ではなく、フランス語の"Comme il Faut"(きちんと、申し分なく、立派な)から来ているんですと!ではおフレンチの風を漂わせつつ立派なこのおチョコはどんなものかというと、やや秋めいたパッケージ。この女の人、ロシア人なのかなぁ、それともフランス人なのかなぁ。上蓋を開けると、さらに封をされた二つの箱が。ロシアのチョコレートには珍しい、いくぶん過剰な包装です。それぞれの箱にはチョコレートが4粒ずつ。一箱に4つ。計8個で660円。この少なさ、高さも今までなかったような。その8分の1の珠玉(かもしれない)のチョコレートはこちら。チョコレートでコーティングされた内側にもっと明るい色の柔らかいミルクチョコレートが入っていて、上に乗っているカシューナッツの硬い食感とあわせると、うむ、なかなか悪くありません。しかし、ベルギーの高級チョコレートなんかに比べるとそれほど味が凝っていないというか、パンチがないというか、やっぱりロシアは素朴だなぁというか。あと、お上品ぶるには、サイズが微妙に大きいような。来年のバレンタインシーズンには日本にも上陸するそうです。見かけたらどうぞ試してみてください、コミリフォー。