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カテゴリ:情況論
『愛媛県宇和島徳洲会病院の臓器移植問題で考えてみる。
「移植学会のルールより、患者を救うことが大事」という執刀医、万波誠医師の主張とは、 臓器売買事件を契機に、愛媛・宇和島徳洲会病院での生体腎臓移植は その後、様々な問題点を浮き彫りにしています。その後の報道などで明らかになってきたのは… (1)万波医師は移植手術を積極的に進める事で医学界では有名な医師で、 弟の万波廉介医師らと協力して多くの生体腎移植を行っていること。 (2)万波誠医師が執刀した移植手術の中で11例が病気の腎臓を移植する 「病気腎移植」と呼ばれる手術だったこと。 (3)日本移植学会が定める生体臓器移植の指針に反する臓器移植手術が 行われていたこと。 以上のようなことが明らかになってきました。 (4)万波誠医師の言い分 一連の移植医療では 現時点で万波誠医師が法律を犯したわけではありません。 万波誠医師は、病気腎移植に踏み切った理由について 「移植を希望しながら臓器提供者(ドナー)がいない現状があった。 医療技術の向上で、今まで破棄されていた腎臓が少数ではあるが 有効に利用されるチャンスが出てきた。 生体腎移植、死体腎移植に続く第3の道としてこのような医療行為 (病気腎移植)も残っていてもいいのではないか」 患者への説明と同意については、 「市立宇和島病院時代から患者だけでなく家族にも説明してきた。 ボロ腎臓を植え付けた、と文句を言ってくる人がおったら いけんからね」と話しています。 日本移植学会の指針に反する行為については、 「移植を待つ患者を救うことが第一で使える腎臓があれば移植する。 倫理指針を全部守っていたら、何も進まない」 ■万波医師が移植を推し進めるのはなぜか? 万波誠医師が数多く手がけている腎臓病を例に取ると 深刻なドナー不足の状態です。 糖尿病を原因とする腎臓疾患などによる透析患者は増加する一方で、 腎臓移植希望者も増え続けています。 人工透析患者の数は89年から04年までの間に倍以上増えて、 約25万人に上ります。 その一方で、生体臓器移植に関する法律はなく、学会の自主的な取り 組みに任されているのが現状で、日本移植学会は原則禁止の立場です。 親族に限った移植や病院などの倫理委員会の承認を条件に例外を 認めていて、生体腎移植件数は95年の432件から、05年は 834件と増加していますが、追いついていません。 ■問題点 いくら、腎臓移植の希望があり、健康な腎臓移植が勧められないからといって、臓器売買あるいは、ガン患者の不健康な腎臓や機能低下している悪質な腎臓を移植してまでも、患者のために良かれと言えるか。そんなもの、言える訳がない。このよう悪質な移植屋が世にはばかり医術を売り物にして、収益をあげるような医師がまかり通るようなシステムを禁じ、さらに法制化して、勇み足をした医師を処罰するように患者を保護しないと、闇の臓器売買や悪質臓器移植は裏で平然と行われてしまう。臓器移植には制限があるのは当然だといえる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006年11月16日 13時52分46秒
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