036959 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

作家の部屋 「ダルタニウスの苦悩」

作家の部屋 「ダルタニウスの苦悩」

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Freepage List

Profile

裕樹です

裕樹です

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

スザンヌの「ぶろぐ… スザンヌ☆さん

Comments

どぴゅ@ みんなホントにオナ鑑だけなの? 相互オナって約束だったけど、いざとなる…
2007年03月14日
XML
カテゴリ:文学
羊一頭とわずかな食料を積んだ一艘の小舟が
神々が霧散した海に 帆を張り出航する

荒野は行けども行けども果てしなく
襲い来る砲火と弾丸が幾人もの仲間を
突然 死に追いやってしまう
生まれた場所が、たまたま自分にとっての
この場所で この時代で
彼らからの攻撃を受けなければならない
なぜ、純粋な気持ちのままで
白い帆を張り 航海する船人の如く
雄大な海洋や 紺碧の大空を
   駆けめぐることができないのか
淡いアマリリスや真紅の薔薇を
君に捧げることができないのか
いま かろうじて口に入れる植物の根や
鳥たちに食い尽くされた 木の枝にわずかに残る木の実を
餓えた禿げ鷹のように 頬張る
味方のはずの同胞達は 譲り合うことや
差し出すことを忘れ しゃにむに奪い合う剥き出しの我欲
なぜ 餓えて自死しても おぞましい行為を回避し得ないのか
自分を見ようとする希薄な意識と代謝行為
人が必要とし欲望を感じる全てのものを手に入れようと
思うままに人民を回流させながらリビドーは高まり
戦士としての表象と記号的連続面が判断力を喪失させる

湿った朝に鳥達の声は露となり
冨の差や飢餓の差が嘘のような静寂から
荒れ野の平穏を追いつめられた不幸が食卓に向かう
たなびく雲が出生の位置を霞で隠したとしても
原罪を認識し得ない格差が決定的に断頭台へと
運命の舞台を演出している
なぜ 思考ばかりが不平等を認識し
出生の不幸を告発しようとするのか
私たちは出生の原罪を不問にし
差異を告発する覚悟と無為な徒労との両輪の
   思い牛車を引き回す
   回廊には棘だらけの植物が群生し
鞭打つ手は傷で血まみれ
砕けた岩を踏みしだく足の甲は
沼を這い回り葦で傷ついた血だらけのまま
信念という義務感だけで起きあがり
その支配を その占領を その哄笑を
暗雲の立ち込める濃霧の谷で
破壊すると研ぎ澄ました決意で
連山が崩れるほどに叫んだではないか

時が幾重もの岩をも崩し 都市を瓦礫と化し
運河の押し流す下流へと崩落し やがて海底に沈み
あるいは地層深く埋没するか 大気中に消失する
私たちの肉体など朽ちてしまえば土でしかない
その人間自身が同類の生存を脅かし
   妄想や想念がなぜ生存の苦悩を負わせるのか
傲慢や差別意識は支配の根元だ
いつから支配者に転換したかは分かり切っている
国家の起源はなにか
国家形成の時期はいつなのか
民衆が一丸となりまとまる必要があると
先頭の指揮者達が後ろを振り返ったときから
   仮想の敵と支配の構造が誕生する

長老達が指揮者達の役割の終焉を理解し
新たな時代の信任を新制度で開始しようと
民衆主体の政治形態にしていたら
恐らく変わっていたのだが
一度権力を手にした者たちの「無知」な民衆支配への
歴史的な転換点がかくて生まれたことを
この数名の夜宴後での密談が必然の如く
疲弊した土地と疲労した民衆への口先の労い

殺害された王の配下の者達に
偽証や謀反や謀略がなかったとしても
悪しき群れの怨念を残したまま銃殺された
権力領域の言亡術数に巻き込まれる 
悲運な運命もまた同族の怨念の中に
人知れず消去された幾多の命よ
人が躊躇なく共同体のために殺害され
可逆的拷問を穏やかだったはずの男が
楽しむように実行する
地下の暗い部屋では薄汚いネズミたちと
心を共同体に奪われた人間が住んでいた
その場では自分がどう自己主張しても
敵か味方としか映らなくなる特殊な社会
温情や同情は死を招きかねなかった

大量殺戮兵器は宗教の違いや戦士と民間人の区別が付けられない
混合の移民国家相互の戦闘が大量殺戮兵器を阻むのは
単一民族単一国家相互の場合にのみ利用できると
列強主導の国連が実質一国の世界支配と暴挙を抑止できないのは
その核攻撃力と戦闘持続力・資金力によっている
新たな戦いは国民を兵士にと徴兵することで強制が開始した
それは我が家の働き手が欠けたり
隣家の長男や次男が仕事を中断することから始まる
その家の収入を国が一部補填することとか
会社の労働の多くが欠けて生じる機能低下を
   残された労働の担い手がサポートすることだけでは済まない
やりたくない戦争を したくない殺人を
突然 国家という強制が義務づけることから始まる
参加したくない徴兵を君は拒否できるか
自己正当化できない戦争に きみは参加できるか
自らの命をかけて国を守るための名目が
自分にとって納得できない原因や理由であったとしたら
君は拒否するか
人々の大半が他国や他宗派や他民族の攻撃を
是としても 君が納得できないとしたら
君は その戦争参加を拒否するか
囚われのまま「非国民」と隣人や同胞から叱責されても
君はその意志を貫けるか
最早平和を放棄した憲法下では国民徴兵は当然の事態だった
母は家族が離散し 家が崩壊することを拒んだ
家族の四散は母の生き甲斐の喪失と心の死を意味していた





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2007年03月14日 17時22分35秒
コメント(0) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.
X