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カテゴリ:文学
ダルタニウスの苦悩・・原作者による解説 第一章
ギリシャ神話の神々達が登場するギリシャ劇がヒントになっている。と同時にダンテの神曲もヒントとしている。まず、このダルタニウスをギリシャ神話の神々から見つけていただきたい。そう、存在しない名前なのです。作品のタイトルでもあり、この固有名詞は誰だとよく聞かれる。作品の詩劇を読んでいただくと分かりますが、この名前は頻繁に出てくる主人公の名前で、神ではありません。この名前を設定するのに、日本人の名前なども考えましたが、霊や風神、太陽神などを登場させる構想だったため、そのネーミングは一気にギリシャ神話へと変更することで、物語をより壮大に架空のものと分かるようにしる意図にしました。 男女の関係をまずベースにしています。これは、個人が一人でありながら社会性も当時に持つように、個人性と男女の性と、さらには共同体の構成員でもあるという3つのカテゴリーを同時に内包してしまう存在だと言うこと。ですから、共同体と言えば国家や宗教、民族や思想集団などの構成員に必然的に入っています。もしかりに、対立する宗教があるとして、その異宗派の男女が恋に落ちたとすると、好きだということだけでは済まされない共同幻想をぶつけ合い、あるいは対立や剥奪や憎悪やと、単なる男女愛だけでは済まされない問題が二人を苦しめ始め、苦悩させることになります。 異民族間の男女でもしかり。敵対する異国間の男女でもしかりです。男女の出会いは、、全社会の総体を個々に背負わせる状態で、出会うことになり、共同性の本質自体が強制を強いるように個人を苦しめ、二人を苦しめる。その関係の最も苦しい精神状態を、特別なある設定で構想し、関係を設定しています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008年01月19日 17時35分37秒
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