じっくりゆっくり時間をかけて
生徒たちを指導していてしみじみ思った。バレエを踊るようになるまでに気が遠くなるような長い時間が必要なのだと。そんなのは改めていうまでもないほどの定説。でも・・・でも、現場で指導していると、焦ることもあるし、早くできることについ、とらわれてしまうこともある。*--*--*--*--*--*指導していてなかなか成果の出ないときもある。生徒に能力がないのか、自分に指導力が無いのか、いったいどうしたら欲しい結果にたどりつくのか、そうしたことで堂々巡りをすることは実際にはしばしば起きる。膝をどうやったらいい状態で伸ばせるか、つま先、足の甲をいい力加減で伸ばすとはどういうことなのか、ターンアウトを正しい筋肉を使って行うとはどういうことなのか、エネルギーをうまく使って動くとはどういうことなのか、どんなに手を尽くしても生徒に届かない時もある。でも、でも、やっぱりいつか理解できるときがくる。そう信じて指導をする。*--*--*--*--*--*ある時、突然、生徒が理解する。急に目が覚めたみたいに。そんな瞬間が今日あった。こうした時が巡ってくることで自分のやってきていることが報われたなぁと感じる。そこでやっぱり時間がかかることなのだ、と改めて感じる。バレエダンサーを育てること。それは一朝一夕でできることじゃない。まるで上質のワインをつくるときのようにじっくりゆっくり成熟してゆくのを待つことも指導者のつとめなんだと。