「激戦地で先天異常増加なぜ」 西英子
みなさま 西英子です。 本日6日の朝日新聞に掲載されました。朝日の読者は少ないので、読んで いただきたく、以下に全文をのせます。 「激戦地で先天異常増加なぜ」 西英子 イラク開戦から10年になる。最近のテレビではバクダッドの繁華街 で買い物をする若者たちの笑顔を映し、イラクの復興が進んでいるよう な印象を与えている。 しかし、1日の本紙「イラク激戦の街、新生児の異常増 米軍兵器の影 響指摘も」を読み、私は強い衝撃を受けた。イラク戦争の激戦地ファル ージャの病院で、多数の子どもに先天異常が見つかっている。近年の調 査でその発生率は14.3%で、日本の2.31%と比べて極めて高い。 症例別では心臓循環器系の異常が最も多いという。 本紙には両手足の指が6本ずつあって歩くこともできない少女の写真 が掲載され、その父親が「生活すらままならないのに障害のある子を支 えていくのは苦しい」と嘆いている。昨年見たドキュメンタリー映画 「チェルノブイリ・ハート」では、ウクライナやベラルーシで先天性心 臓欠陥などの重度の疾患を持って生まれてくる子どもが多いことも知っ た。 イラク政府はようやく実態調査を始めるというが、先天異常の発生率の 高い原因を解明し、米軍兵器の影響があったかも検証してもらいたい。 責任は誰にあるのか、各国は明らかにすべきだ。 (終り) 私は、ウクライナやベラルーシでは、「原発事故による放射性物質が 関係しているのだろうか」と書きましたがその部分はカットされました。 私はそのことによって米国政府が今も認めていない劣化ウラン弾の放 射能の影響のことを間接的に訴えたかったのですが、駄目でした。 投書には限界があります。 でも、忘れられてしまっているイラクの子どもたちのことを載せても らったことは、よかったと思っています。