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カテゴリ:グットな人
代表取締役社長 池田章子さん。 山形県を代表する経営者だ。 といっても山形県人の大半は、その人の名を知らないと思う。 うちの社長の文助も知らないと思う。 彼女は、創業1902年の老舗企業、 誰もが知っている、ブルドックソース株式会社の社長であり、 スティールパートナーズの敵対的買収攻撃から、凜とした態度で会社を守った女性だ。 池田さんは、短大を卒業後、”あと1年ぐらいは東京にいたいなあ”という軽い気持ちで、 ブルドックソースに入社する。 配属された先は総務課だった。総務といっても実際には、お茶くみだったそうだ。 朝の9時と10時30分、午後1時30分と3時に、20人近い先輩にお茶を出し、 郵便の仕分けや発送などを日がな一日していた。 30歳を過ぎて、社内報の担当になった。 このままではいけないと思い、ある日、恐る恐る”会議に出たいのですが”と 勇気を出して頼んでみると、上司から返ってきた返事は、 ”でて、なにするの”という冷たいものだった。 日本の会社は男性社会、ましてや100年以上ある老舗企業だ。 その後、池田さんは社内報の作成に深く関与するなかで、様々な経営者に出会ってゆく。 そして、ある共通点を発見する。 それは、一流企業の社長たちは呪文のような、 ある共通の言葉を発しているということだった。 『お客様を大事にする』、『企業は人だ』がそれである。 こうした言葉こそ、企業を一流にしてゆくキーワードだと気づいたのだという。 彼女は、しぶとく経営企画室への異動願いを出し続け、 1991年、はれて経営企画室課長となる。 そして、成熟したソースマーケットにおいて、視点を変えた商品を投入する。 家庭でもんじゃ焼きを楽しめる”月島もんじゃ焼き”セットを商品化、 これが大ヒットとなり、 それが、女性社長誕生への布石となる。 先代の川村社長から就任を打診された時、 池田さんは、”私に出来ますでしょうか”と言ったそうだ。 すると、川村社長は ”想像以上に厳しいよ”といったそうだ。 スティールパートナーズの代表、 ウォーレン・リヒテンシュタインが”ブルドックソースが日本市場でしかビジネスを していないなら、世界の家庭に行き届くようなお手伝いがしたい”と言ったそうだ。 すると池田社長、 ”日本の食文化は、大小様々なメーカーが支えています。規模の拡大も大事です。 でも、日本の風土のなかで、地域のなかで、今までの歴史のなかで、大事にしてきた 商品を出してゆく、そういう企業も認められていいのでは。” そして、リヒテンシュタインさんに池田さんは逆に質問します。 ”ソースが何から出来ているか、ご存知ですか?” リヒテンシュタインさんは、答えられませんでした。 老舗の暖簾(のれん)と言う言葉がある。 のれんには二つあるという。 一つは、”金(かね)の、のれん”、顧客の顔を見ず、バランスシートだけを見る暖簾。 そして、もう一つは、”風にそよぐのれん”だという。 池田さんは、ブルドックソースの風にそよぐのれんを守ったのだった。 池田社長を支えたもの。 それは、ほかならぬ彼女の母親だった。 山形の大家族の農家に嫁いだ、池田さんのお母さんは、苦労したせいか、 周囲にとても気を使う女性だった。 池田社長が、会社に入った頃、男性との給与格差に不満を持って、 なんどか実家に電話し愚痴をこぼしたそうです。 すると、お母さんは、 ”なにもできないあなたに(会社は)これまでよくお給料を払ってくれましたね。” と諭したそうだ。 また、池田社長が小学生の頃から、お母さんに耳にタコが出来るほど 言い聞かされてきた言葉があるという。それは、次のようなものだ。 ”人は最後は品格だからね” 男女平等でなかった会社から、社長になった女性がいる。 孔子と弟子との会話 ”君子とは、どんな人物のことですか?” 孔子 ”まず主張したことを実行し、それからのち主張する人のことだ。”と答えた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.04.22 19:57:24
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