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カテゴリ:グットな人
ある小さな町の美容室の出来事。 その美容室では、 地域へのサービスの一環として、 病気で長期間入院している患者さんたちにボランティアでカットサービスをしていた。 その美容院に一人の新人女性が入ってきた。 その新人女性は、とてもすばらしい技術の持ち主だった。 しかし、 彼女はボランティア活動が大嫌いだった。 ”偽善だ。” ”せっかくの休日だというのに。。。 なんでこんなことをしなければいけないのか”と思っていた。 このボランティア活動は、 強制的ではなかったので無理に参加する必要はなかったのだが。。。 しかし、先輩達は、 自分達の休日を利用して参加していたので、 新人の彼女も休むわけにもいかず、 嫌々参加していた。 そんなある日 いつものように彼女はボランティア活動の日を迎えていた。 重たい気持ちで病院に行くと、 自分と同じぐらいの年齢の女性患者さんのカットをすることになった。 カットを始めると。。。 その女性患者さんは、真剣な表情で、 ”美容院の仕事は楽しいですか?”と聞いてきた。 彼女は、適当に仕事をしながら、 ”えぇ 楽しいですよ。”と、あたりさわりのない答え方をした。 すると、患者さんは、 ”うらやましいなあ。。。 わたしは小さい時から美容師になるのが夢だったんだぁ。。。 病気で、 体が弱かったから無理だと親に止められてあきらめたんだけど。。。” 患者さんは、寂しげに話した。 彼女は、申し訳なさそうにうつむき、 ”そうだったんですか。。。”と言うのが精一杯だった。 彼女が髪を切り終わると患者さんは、最後に、 ”でも、美容師になって、ボランティアまでして、 がんばっているあなたに髪を切ってもらうことができて ほんとうによかった。ありがとう。”と、 笑顔で彼女にお礼を言った。 彼女は、この患者さんの言葉を聞いて、 今度、また病院に来た時は、 もっとがんばって この人の髪をカットしてあげようと思った。 その病院の帰りの車の中、 彼女は一緒に病院に行った先輩スタッフから、 今日、彼女がカットしてあげた患者さんが、 週末、生死をかけた大きな手術を受けることを聞いた。 彼女は、なぜあの時 あの患者さんは、わたしにあのような質問をしたのか わかった。 彼女は、 あの時の患者さんの真剣な表情を思い出した。 そして彼女は、 先輩スタッフに、 ”手術が成功したら、今日の患者さんの髪をもう一度、 わたしにカットさせてください。お願いします。”と、目に涙を浮かべながら言った。 しかし、 彼女が、患者さんの髪を切ることはなかった。 彼女は、この出来事のあと、かわった。 ”一生懸命に仕事をしても、 適当に仕事をしても、 仕事をしている時間は変わらない。 それなら、全力で取り組んだほうが楽しい。 後で、後悔しないためにも。” お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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