カフェ感

４月になると思い出します。

菊水一号作戦とは、

太平洋戦争末期、アメリカの沖縄への侵攻を阻止する目的で実施された

日本の特攻作戦のことです。

特攻作戦とは、２０歳ぐらいの若者が、防弾設備もない華奢な戦闘機に

わずかな片道分の燃料と、つめるだけ詰め込んだ爆弾を背負って、

敵船に体当たり攻撃することだった。

この作戦は、１９４５年の４月６日から始まる。

沖縄周辺での特攻作戦において、海軍機９４０機、陸軍機８８７機が特攻を実施。

海軍では、２０４５名、陸軍では１０２２名が戦死した。

また、同時に水上からは、最後の連合艦隊が、

護衛機のない裸状態のまま徳山沖から４月６日に出撃した。

この最後の艦隊の作戦は、沖縄にたどり着ければ、

東シナ海、北西方向から沖縄島に全速力で突入し、自力座礁して船を陸上に乗り上げ、

砲台となって陸上戦を支援する。と言うものだった。

当時の沖縄は、もはや制空権、制海権はアメリカ側にあった。

４月７日、１２時３２分、アメリカの４００機近い戦闘機が戦艦大和の上空に殺到する。

さながら巨象に群がる蜂のように。

大和は、のべ１０００機近くにものぼる戦闘機の攻撃を受け力尽きて、

午後１４時２０分に沈む。

この最後の連合艦隊の戦死者は３７００名、後のデータでは平均年齢は２７歳だったと言う。

一方、アメリカ軍の損害は、戦闘機１０機と戦死者１２名だったそうだ。

沈没して、海に漂っている無抵抗の人々にも、アメリカ軍は容赦なく機銃掃射をしたという。

大和に乗艦し戦死した、臼淵磐（うすぶちいわお）大尉の残した言葉。

『進歩のないものは決して勝たない

　負けて目覚めることが最上の道だ

　日本は進歩と言うことを軽んじ過ぎた

　私的な潔癖や徳義にこだわって本当の進歩を忘れていた

　敗れて目覚める、それ以外にどうして日本が救われるか

　今、目覚めずしていつ救われるのか、

　俺たちはその先導になるのだ

　日本の新生にさきがけて散る

　まさに本望じゃないか』

　大和の最後から、４ヵ月後、広島に人類史上類を見ない爆弾が投下される。

　いまの日本は、そういう貴重な過去を体現した国なのである。