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カテゴリ:グットな人
昨日も、飛騨牛の偽装ニュースが流れていた。
その会社の社長は、テレビに向かって”従業員が勝手にやった!”と 猛アピールしていた。。。 山形にも米沢牛とうブランドがあるが、牛を乗せたトラックが、 米沢市を通過しただけで、米沢牛になってしまうとう話を聞いたことがある。 これから書く、日本理化学工業株式会社の大山社長が、昨日のテレビを見ていたら どんな感想を持つのだろうか。。。 50年前に知的障害を持つ二人の少女を、”私たちみんなでカバーしますから”という 社員達のたっての願いで採用したこの会社、今、障害者雇用率70%を超えている。 しかし、そこまでくるには、多くの困難と努力があった。 大山社長はいう。 障害者を受け入れたものの、始めの頃は、苦労の連続だった。 どうやって仕事を教えればいいのかわからない状態。 普通は、自分達でつくったラインに人間を合わせるのですが。。。 大山社長は、その子たちが精一杯の仕事が出来るように、 一人一人の状態にあわせて機械を変え、道具を変え、そして部品を変えていった。 大山は、 ”この子たちは、自宅から会社まで歩いてきたり、バスで来ることもあるけれど、 少なくとも信号機のある道路を渡って会社に来ている。ということは、 色を識別する能力はあるのだから、それを利用しよう!”と考えた。 大山の会社で作っているものはチョークなので、いろいろな色があります。 であれば、ラインに流す材料も容器の色であわせればいい。また数字が読めない人は、 はかりの目盛りが読めなくても使えるように、必要な分量分のおもりをつくって ”青い容器の材料は、青いおもりではかって混ぜる”と教えておけば間違えない。 また、機械を何分動かすか、ということも、稼働時間をはかって砂時計をつくり ひと目でわかるようにした。 ”スイッチを入れたら砂時計をひっくり返して、砂が全部落ちたら機械を止めるんだよ” と伝えれば、そのとおりにやれる。 一人、一人、としっかり向き合って、何が出来るのか、何が出来ないのか、ということを 少しずつ理解していき、人に合わせて工程を組み立ててゆく。 能力に合わせて作業を考え、その人に向いている仕事を与えれば、 その人の能力を最大限に発揮させることができ、決して健常者に劣らない仕事が出来ることが わかった。 また、大山は仕事の中で、知的障害を持つ子には、”親切でやさしい子が多い。”ということ に気づいたとも話している。 そして、ある程度のレベルに達したら、リーダーにすることで、その子のモチベーションが より高まるという。 ある時、この本の著者の法政大学の坂本教授が再び、大山社長の会社を訪れた時。 応接室にコーヒーを持ってきてくれた、おばあさんがいました。 ”よくいらっしゃいました。どうぞコーヒーをお飲みください”と、小さな声で言うと また、お盆を持って、帰っていきました。 その方が行ってしまってから、大山社長が、私にポツリと、こう言いました。 ”彼女です。 彼女がいつかお話しした、最初の社員なんです。” 彼女こそ、およそ50年前に、はじめて入社した、 二人の知的障害をもった少女の一人だった。 15歳で採用されていますから、もう65歳にもなっているのです。 腰が曲がって、白髪でした。 彼女が会社に勤め始めて50年間。 その彼女をあたたかく見守り、ともに働いてきた大山さんをはじめとする同僚や上司の方々。 山あり、谷ありだったでしょう。 さまざまな喜び、多くの悲しみもあったかもしれません。 しかし、それらのすべてが、50年前、必死でお願いに来た養護学校の先生や、 当時の社員の方たちの思い、大山社長の決断から始まっていた。 坂本先生は、それらのことが一瞬のうちに想像され、 涙が止まらなかったそうです。 坂本が、振り向いて、工場を見ると、その白髪のおばあちゃんは、 また、一生懸命、チョークをつくっていたそうです。 坂本は、最後に一つ、大山社長に質問をした。 ”なぜ、こちらの社員の方々の顔つきは自信に満ちているのですか? 生き生きしているのですか?”と。 すると、大山社長は、 ”自分も社会貢献しているんだという、”思い”があるからだと思います。 一介の中小企業ではありますが、そこに勤めて、自分も弱者の役に立っている、 社会の役に立っている、という自負が、モチベーションを高めているのではないでしょうか 坂本教授は言う。 ”格差の時代だ””大企業が悪い””おれたちは犠牲者だ”などという 言葉をしばしば耳にするが、 私はそういう方々に”あなたが弱者ですか?”と聞くことがあります。 ”あなたは二本の足で立っているじゃありませんか。あなたは自分意思で歩くことも、 立つこともできるじゃないですか。” ”努力をしたくても、がんばりたくても、がんばれない人々が真の弱者で、 がんばれるのに、がんばらない人々は、偽者の弱者です。”と お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.06.22 10:10:28
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