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カテゴリ:グットな人
中村さんが一人で始めた会社、 中村ブレイスも、ようやく仕事が軌道にのりつつあり、 新入社員を入れることになった。 すると、 知人から”どこにも就職させてくれない子がいるから、 力になってくれないか”という依頼があった。 その子のお父さん、お母さんはとても真面目な人で、子供の将来を案じている。 なんとか中村さんに面倒を見てもらいたいんだ。”と頼んできたそうだ。 中村社長は彼に会った。 顔は青白く、見るからにひ弱そうな感じだった。 最初は断ろうと思った。 しかし、”人を支えるという目的で設立した会社であり、 また、世のため、人のために貢献したいと思ってつくった会社ではないか。。。 であるなら、こういう若者の面倒を見るべきではないか。” と思い至った。 そして、彼を最初の社員として採用したのだった。 しかし、彼は、体力がないのか、集中力がないのか、一時間も働いたら、 ”疲れた”と言って帰ってしまった。 次の日も、その次の日も。。。 まわりの人は心配して言った。 ”おまえ(中村社長)だって食うや食わずで働いているのだから、 辞めてもらったらどうか” でも、中村は自分の使命(ブレイス=支える)を果たすために、その子を雇い続けます。 その子が、通常の勤務時間である午前8時から午後5時まで働けるようになるまで、 ずいぶんと長い時間がかかった。 ”七年半かかりました。”と中村は言った。 さすがに、聞いていた坂本先生もおどろき、 普通だったら、”もう辞めてくれ”と言うでしょう。 ”なぜ七年半も待つことが出来たのですか?”と聞いた。 中村さんは、 ”あの子は、あの子なりに精一杯、努力していたんです。 私は、けっしてそれを見逃さなかった。” ”この子は、あるときは朝8時に来て、たしか二時間ぐらいでうちに帰るとか、 救急車で運ばれるとかしました。それから一週間、出てこないこともありました。 しかし、一週間後に、体力がついてくるとまた出てくるんです。 その時は、朝8時から、10時半までいました。残念ながら次の日はまた休んで、 出てきたときは9時に帰りましたが、その次の日には、11時まで仕事が出来ました。 その繰り返しで、就業時間の8時から5時までの勤務ができるまでに、 七年半かかったのです。” 中村はいう。 ”その子を自立させたことが、今日のわが社の原点です。” 実は、その若者は、自分の状態をなんとかしようと、家で寝ているときなど、 医療とか福祉、介護に関する専門書をすごく読んでいたらしいのです。 結果的に、中村さんもかなわないくらい、 その分野の深い専門知識を身につけていたそうです。 働けるようになった彼は、医療や福祉、介護の見本市が広島で開かれたときなどは、 オートバイで出かけていって、”こういうものがあった、ああいうものがあった。 でもこの商品はダメだからこうしたらいいだろう”と中村さんに報告したそうです。 中村ブレイスの、今の主力になっている商品には、 彼のアイデアによるものがたくさんあるそうです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.07.03 21:48:13
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