気になってた「アビエイター」を観た。
伝説の富豪ハワード・ヒューズの半生を描いた映画というので、もっと華やかな内容かと思っていたけど違った。映画館の中も笑いも起こらず、シーンとしてたし。実話だったのもあり、ハリウッド映画らしい分かりやすい映画でも無かった。観ていて、ラッセル・クロウ主演の「ビューティフル・マインド」を思い出した。この作品を観て、「成功した時に、破滅の種を宿している」みたいな事を評論家が言ったみたいだけど、そうじゃなくて「成功者の中に元から潜んでいた狂気」の方が近いんじゃないかな。頭がキレるので成功したが、その回路がおかしくなってしまった。興味深い人物の話が、ヒットするとは限らない。映画って難しい、と思うけど分かりやすい映画ばかりじゃなくこんな映画もあった方が面白い。それに、主演のディカプリオは今まで興味が無かったけどすごくがんばっていて、見直した。彼がこの作品に懸けていた気持ちが、伝わってきた。主演男優賞、取れなかったのはちょっと可哀相。私の大好きなケイト・ウィンスレットは、いつもの品のいい女性のイメージではなくサバサバしたキャサリン・ヘップバーンを演じていた。仕草が男性っぽく、ちょっと風変わりな感じでいつもは気にならない口の大きさが目立った役だったけど、キャサリーン・ヘップバーンの雰囲気を忠実に真似してたのかな。それなら彼女は、宝塚の男役のような女優さんだったんだ。ケイト・ベッキンセールは、いつもと違った気の強い女優の役が、良く合ってたと思う。