題詠に苦戦
少し前に、「題詠マラソン」にエントリーした、というお話をしましたが、早くも、ちょっと苦戦しています。 私は、題詠は自分の裡に眠っていたものを触発させてくれるものと思っているので、どんな自分に出会えるのか楽しみ、という側面が大いにあります。 そして、やるからには、いいものを目指したいので、できるだけ練った上で提出していきたいと思っています。 具体的には、目標は「1つのお題につき、最低3首は詠み、その中から提出すること」です。 しかし、苦戦…。 もともと題詠はちょっと苦手、ということもあるのですが、「自分の好きな歌にとらわれてしまう」というのも、理由の一つです。 どういう事かというと、私が好きな歌の中には、今回のお題が含まれている歌も、当然の事ながらあります。 例えば、今回のお題の中に「淡」というのがあるのですが、このお題を見ると、吉川宏志さんの 淡雪はくっつきながら落ちてくる 思い出せない顔うつくしきという歌をすぐに思い出します。 また、「淡」という字は入っていないのですが、同じく吉川宏志さんの 今日は過去のことでも書いて暮らそうと窓辺に座る窓は春雪も思い出します。 両方とも、淡雪、春雪がとても効果的で、大好きな歌です。 また、「つぼみ」という題もあるのですが、これを聞くと、早川志織さんの シャンプーの香りに満ちる傘の中 つぼみとはもしやこのようなものをすぐに思い出します。 これも、若い女性の繊細な感覚がよく現れていて、いいな、と思う歌の一つです。 先行している歌の中に、こういう素晴らしい歌がすでにあるので、そのイメージにどうしても引きずられてしまうところがあるのです。 もちろん、こういった歌をふまえつつ、自分独自のイメージ・世界を作り出していかなければならないのですが、それが難しい。 そこが「苦戦」の理由の一つです。 すいません、全部「言い訳」に過ぎないと思いつつ、ちょっと思ってみたことを書いてみました。