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カテゴリ:映画・舞台など
「ふたりっ子」の時も思ったの。
「もしやこれ、後世に残るような名ドラマになるのでは…?」って。 結果、最高視聴率が29%、向田邦子賞を受賞することに。 そして2011年秋、さらなる名作の予感! それが「カ-ネ-ション」なのだ! 椎名林檎嬢の言うとおり、人生の喜び悲しみもリアルに描いているこの作品。なんといっても脚本が素晴らしい。 世界的に活躍するデザイナー・コシノ3姉妹のお母様がモデル。ヒロインが洋服への情熱だけを抱いて、縦横無尽に疾走する様がひたむきで元気がもらえる。 …という構図は伝統的な朝ドラ。ただし、この主人公、健気でお行儀がよくて万人に好感を抱かれる…というヒロイン像とは全く一線を画す。馬力と行動力はあるが、喧嘩早くてガサツで男前、史上最高にガラが悪い(笑)。アクの強さは「ふたりっ子」の香子を超えるなー。 さらに出てくる登場人物が皆、個性が濃過ぎるのも特徴。 長所だけじゃなく短所もしっかり描かれている為、役柄に重層的な厚みがありかえって魅力的になっている。 この点、ヒロインの父親役の小林薫のキャラクター造形は本当に出色の出来。 言ってることはむちゃくちゃだし、欠点だらけなのに、実に可愛くて憎めないサイコーな親父なのだ。 これは名優といわれて久しい、彼の代表作の一つになるのではないかなー。 絵空事、綺麗なだけの話ではなく、現実に潜む毒や陰影もちゃんと描かれている。 それでいて、人生の美しさや喜びも表現されている。 だからつい、主人公と一緒に泣いたり笑ったりしてしまう。 モデルの方が92歳まで存命だったので、いかんせんドラマの進行に工夫が必要になってくるのだが、その緩急の付け方が過不足なくて素晴らしい。端折る部分、丁寧に描く必要のある部分の取捨選択が適切で、思い切りがよいのでテンポよく仕上がっている。いいドラマは「想像力」を換気させて、見る人に内容を補完させるものなんだなぁ。 そして出演者の演技力、巧みな演出、岸和田弁の正確さ、音楽、美術、セット、照明、ロケーションの美しさ…etcもケチのつけようがない。もちろんこの為に書き下ろした林檎嬢の主題歌も素晴らしい。 脚本がよいと、様々な要素が上乗せされてドラマの魅力って二乗以上になっていくのね@@!! 今や、月曜日が待ち遠しいもん。 毎日15分の中にクライマックスシーンが必ずあり、起承転結して笑いと涙がある感じ。 私は毎日2回見るのが日課で、これ以外の新ドラマを全く見る余地無し(内容が高密度過ぎてお腹いっぱい)。 一回につき、次回以降につながる細かい伏線もそこかしこに入っているので、熱心な人だと謎解きのように3~4回見返しているらしい。 そんな、凝ったドラマがかつてあったか? 最近、志が高いドラマが減ったと感じていたから、こんな全力投球が毎日見られるのは本当に嬉しい^^ そしてヒロインの尾野真知子さんが素晴らしい!!ナチュラルで表現の引き出しが多く、見せ方が変幻自在。設定での個性が強い分、とても魅力的なキャラクターになっている。30歳でありながら、14歳と17歳をちゃんと演じ分けることができる。演技に血が通っているので、つい感情移入して見てしまう。サイコーにおかしくてゲラ笑いしちゃう時もあるし、泣きの演技では必ずもらい泣きしてしまう(;;) もはや、彼女以外のヒロインは考えられない(そこが凄い)。これまで朝ドラのオーディションに何度も落ちてきたらしいけど、今回で選ばれて本当によかった! 小林薫と互角に勝負できる演技力に全く危なげ無し。リアル北島マヤ。いっそのこと、紅天女は彼女にやってほしい。 ハッキリ言って、全体から見ると今はまだほんの序章の部分なのにこんだけ面白いなんて…予想外。 興味を持った方はぜひ視聴あれ! 渡辺あやさんの脚本って、どこか向田邦子っぽい部分があるんだよなぁ。 ちなみに私が一番好きなドラマは向田邦子の「阿修羅のごとく」(映画版は除く) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2011年10月30日 11時40分39秒
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