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カテゴリ:音楽
この4月以降の困りごとのひとつに、朝古楽の放送時間が1時間早まったことがあります。もともと番組自体はパソコン上でストリーミングを録音したものをiTunesに取り込んで携帯用iPod Touchにコピーし、iPod Touchから車載オーディオ経由(bluetooth接続)で通勤途中に拝聴するというスタイルで楽しんでいたので、単に放送時間に合わせて録音を仕掛ける時間を繰り上げるだけで済みました。
問題は「目覚まし」のための音楽をどうするか、です。亭主は年代もののFMラジオを朝古楽の周波数に合わせ、朝6時半にオンになるようにセットして使っていたので、先週初めから朝古楽に代わって「中学生の基礎英語」が流れるようになりました。最初は「まあ仕方ないか…」と聞き流していましたが、続く朝も同じスキットが流れることに閉口。そこで翌朝以降、いろいろなFM放送を取っ替え引っ替えセットしてみたのですが、どれも「朝からこんなウザいものを聴きたくない」というものばかり…。 そこで、次善の策としてパソコン(Mac)のiTunesに入っている古楽の音源をアラームとして使えないかと思い、そのための「目覚まし」ソフトをネット上で探してみたのですが、なかなかいいものが見つかりません。(iPhoneはそれ用に使える「時計」アプリのアラーム機能がありますが、パソコンをそのように使う人はあまりいないということでしょうか。)ようやく「iTunes Alarm」というソフトを探し当て、使い始めました。 ただしこのソフト、フリーなだけにまだ試作レベルの感じで、アラームを毎日繰り返すように設定しても1回キリでおしまいになり、毎日再設定が必要。また、「シャッフル」という設定ボタンが付いていますが、これをオンにしてもプレイリストの最初の曲しかかからないなど、いまイチです。(手っ取り早い解決策は、すなおにiPod用のスピーカーを購入し、時計アプリでiTunesの音源をセットすることかも?) ところで、今朝テレビで放映された美術番組を眺めていたところ、ウクライナという国の歴史の話になり、その起源が「スキタイ」にある、という話に思わず身を乗り出すことに。 亭主のみならず、古楽ファンが「スキタイ」と聞いてすぐに思い出すのは、J.N.P. ロワイエの「スキタイ人の行進」でしょうか。とはいえ、お題のスキタイ人が何を指すのか、実はほとんど知らないままでした。 スキタイ人は紀元前8世紀〜同3世紀にかけて、現在のカザフスタンあたりからウクライナ付近を中心に活動していたイラン系の遊牧騎馬民族とのことで、古代ギリシャの歴史家ヘロドトスの「歴史」の中にも言及されているとのこと。18世紀以降に墳墓が発見され、発掘によって黄金細工の副葬品などが出土したことで、その文明の一端が明らかになってきたようです。 (ロシア皇帝のピョートル1世(在位:1682年 - 1725年)が集した金製品は250点にのぼり、現在は「シベリア・コレクション」あるいは「ピョートル・コレクション」としてエルミタージュ美術館に所蔵されているそうです。) こうなってくると、ロワイエが「スキタイ人の行進」を作曲した経緯が気になるところ。ネット上で調べた限りでは確かな情報は得られませんでしたが、18世紀のヨーロッパでは異国趣味、オリエント世界への関心が高まっており、音楽の題材にも頻繁に登場していたことを考えると(例えばJ.P.ラモーのそれ)、同じことがロワイエの場合に当てはまるかもしれません。 とはいえ、ロワイエの時代には既にスキタイ人やその文明は失われ、ウクライナに住んでいたのは彼らととゲルマン人の混淆によって生まれた「スラブ人」だったと思われます。ロワイエはおそらく何らかの形で同時代のスラブ音楽に接する機会があったとも想像されますが、それがどの程度「スキタイ」を受け継いだものかは知る由もない、といったところでしょうか。 いずれにせよなぜロワイエがあえて「スキタイ人」をお題にしたのか、時節柄大いに気になるところです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
April 17, 2022 10:19:42 PM
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