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未音亭日記

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未音亭@ Re[1]:セバスティアン・デ・アルベロ「30のソナタ」(01/15) tekutekuさんへ これまた情報ありがとうご…
tekuteku@ Re:セバスティアン・デ・アルベロ「30のソナタ」(01/15) ジョゼフ・ペインのライナーノーツに関し…
tekuteku@ Re:セバスティアン・デ・アルベロ「30のソナタ」(01/15) ジョゼフ・ペインのライナーノーツに関し…
未音亭@ Re[1]:セバスティアン・デ・アルベロ「30のソナタ」(01/15) Todorokiさんへ コメントありがとうござい…

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July 18, 2022
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カテゴリ:旅行
つくば市と言えば、全国的には筑波大学や数十もの旧国立研究所(現在の国立研究開発法人)、さらには民間企業の研究所も集まった「研究学園都市」として知られており、メディアでもJAXAの筑波宇宙センターなどが先端科学のショーケースとしてよく登場します。

一方で、これらの大学や研究機関が移ってきた場所は、元々広大な田畑の中に集落が点在する農村地帯で(だからこそこれだけの大規模な移転が実現できた)、1970~80年の移転に際して新たに作られた2つの並行する幹線道路(約20 km)に沿って集中的に並んでいます。亭主のような新参の住人(住み始めてからまだ25年程度)から見ると、つくば市と言えば基本的にこの大通り沿いにあるモダンな街というイメージしかありません。(2005年につくばエクスプレスが開業してからは、ますますその感が強くなっています。)

ところが、最近市内のとある古民家のリノベーションを見学に訪れた折に(このブログでもご紹介)、このような「つくば市の外れ」にある集落が、まるでタイムカプセルのように昔ながらの街並みを残していることに気づくことに。このような集落は大通りから外れた其処彼処にあり、周りの田園風景とともに亭主の郷愁をくすぐります。

近頃は、このような古い農村の街並みを保存・活用する試みは日本各地で盛り上がっているようですが、つくば市の北条地区もそのような場所のひとつ。亭主が北条の名前を知ったはおそらく十数年前、そこにある旧家の大きなコメ蔵がリノベされて、音楽イベントの会場として活用が始まったことがニュースで伝えられて以来です。が、残念ながらこれまで足を向ける機会がないままでした。ところが今年になって、某局のテレビ番組でここにある古民家カフェが紹介され、ますます興味が募ることに。

ところで、北条地区は前述の大通りの北側終端からさらに筑波山へと北進した位置にあり、地元では優良米の産地としても知られています。山の南側にある裾野、という土地柄もあってか、この10年ほどの間にここでワイン用の葡萄を栽培する醸造家が出始めたようです。最近になって北条にワイナリーが出来、そこで自家醸造も始まったという話を耳にし、こちらも気になっていたところでした。そこで、COVID-19を避けて近場での連休のちょうどよい気晴らし、ということで北条地区を訪ねてみることに。

まず最初に訪ねたのはその「つくばワイナリー」。集落の中心からほど近い(?)場所にあり、かなり広めの葡萄畑の真ん中に真新しい建物が立っていました。建物の一部がワイン直売用の店舗になっており、入るとオーナーと思しき方のお出迎えを受け、ワイン・葡萄の種類から始まってワイナリーの小史などを解説して頂くことに。3年ほど前ワイナリーがに竣工するまでは、収穫した葡萄をタイミングよく甲府にある委託醸造所に運ぶのが大変だった、といった苦労話も伺うことができました。









ちなみに、ワイン好きの方は既にご存知と思いますが、2018年に新たな法律が施行され、日本国内で栽培されたぶどうを100%使用して日本国内で醸造されたワインのみが「日本ワイン」と名乗れるようになりました。これは、従来無いも同然だった「国産ワイン」の定義を明確にし(原産地呼称の統制)、醸造家が公平なルールの下で品質を競う環境が整ったことを意味します。(これまでは、外国から輸入した葡萄果汁を国内の醸造所で発酵させてたものも「国産」と名乗っていたとのこと。)明治期以来の日本のワイン醸造の歴史や先達の苦労を考えれば、だいぶ遅きに失した感は否めないものの、これでようやく「日本ワイン」もスタートラインに立つことができたということでしょう。(このつくばワイナリー以外にも、市内でワイン用葡萄の栽培を始めた醸造家がいるとのこと。)

近年のクラフトビールもそうですが、日本人は外国由来の事物をその器用さと情熱で完璧に自家のものとし、最後には世界最高のレベルのものを生み出すことに長けています。おそらくワインも例外ではない、というのが亭主の(希望的な)見立てです。

なお、残念ながら、ワイナリーにはレストランは併設されていなかったので(その計画はあるらしい)、直近のヴィンテージの白ワインを1本購入して店を後にしました。さらに、開放されている葡萄畑を少し散策したところで集落の中心に戻り、件の古民家カフェ「ポステン」に入店、ランチを頂くことに。こちらは、昭和初期に当地の名士が郵便局舎として造営した建物をリノベして再利用したものだそうです。「ウナギの寝所」のような細長く奥行きのある間取りですが、そのお陰で客同士の干渉が少なく、意外と「喫茶店」にマッチしています。また、磨き上げられて黒光りのする板張りの床が美しく、とても印象に残りました。







カフェの近所には、前述の元コメ蔵ホール、「宮清大蔵」もありましたが、こちらはコロナ禍の影響をモロにうけているらしく、完全に休眠状態の様子。2019年まではライナー・キュッヘルやエマニュエル・パユ、工藤重典といった著名な音楽家もここでリサイタルを開いていた、ということで、近いうちに再開できることを願いながら集落を後にしました。









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Last updated  July 18, 2022 10:06:48 PM
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