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未音亭日記

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未音亭@ Re[1]:セバスティアン・デ・アルベロ「30のソナタ」(01/15) tekutekuさんへ これまた情報ありがとうご…
tekuteku@ Re:セバスティアン・デ・アルベロ「30のソナタ」(01/15) ジョゼフ・ペインのライナーノーツに関し…
tekuteku@ Re:セバスティアン・デ・アルベロ「30のソナタ」(01/15) ジョゼフ・ペインのライナーノーツに関し…
未音亭@ Re[1]:セバスティアン・デ・アルベロ「30のソナタ」(01/15) Todorokiさんへ コメントありがとうござい…

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July 15, 2024
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カテゴリ:美術
先週末に始まった三連休、亭主共はこのところの連日の酷暑で消耗した体を養生するため、昨日から一泊で奥鬼怒にある湯西川温泉に出かけました。電車で館林に行き、そこで運転手を務める家人と合流。行程を眺めると目的地までに多少時間がある、ということで途中で寄り道して表題の美術館を訪ねました。




川上澄生(1895-1972)といえば、明治時代の文明開化に伴って日本に流入した西欧の文物、あるいはそれ以前の南蛮船・南蛮人、あるいはキリシタンといった主題で懐古的な意匠の木版画を数多く創作した版画家で、あの棟方志功(1903-1975)が川上澄生の初期の代表作である《初夏の風》に衝撃を受けたことで本気で木版画家を志すようになった、というエピソードでも知られています。

亭主が川上澄生を知ったのは学生時代で、当時既に亡くなってから10年ほど経っていましたが、中公文庫から全14巻からなる全集が刊行されるなど人気を博していました。なかでも「南蛮もの」と呼ばれる作品群は、亭主の出身地が長崎に近いこともあって大いに親近感があり、爾来折に触れて思い出す版画家の一人でもあります。

当該美術館は鹿沼市の中心地にあり、建物の外観からは明治の西洋建築、という印象を受けますが、実は1992年に開館したという新しい建物。鹿沼市出身で川上澄生の教え子でもあった長谷川勝三郎さんという方の所有になる、二千点もの川上作品のコレクションを市で受け入れ・展示するために出来たそうです。建物のデザインも、彼の作品の一つ《日本越後國柏崎黒船館》をイメージしたものだとか。(そんなわけで、亭主もその存在を比較的最近まで知らなかったというわけでした。)


(同館のXより)

ちなみに、川上澄生は横浜生まれですが、1921年から宇都宮中学校の英語教師として働いており、以後(第二次大戦中、および戦後しばらくの北海道への疎開を除き)同地で生涯に渡り創作活動を続けたことから、隣接する鹿沼市との縁も浅くないことが想像されます。

同美術館では、企画展として「雲?雲!?雲!!雲の百面相展」なるものが開催されており、お題の通りに色々な雲が登場する版画作品60点ほどが展示されていました(あとから数えたところ、そのうち36点が川上澄生の作品)。ただ、残念なことに、特別に出展されていたという前述の《初夏の風》の展示は6月2日までだったとのことで、またの機会を待つことに。

総点数二千点余という所蔵作品数からも容易に想像されるように、いかなる美術館といえども川上澄生の全作品を一堂に展示することは所詮無理な話で、主題ごと、題材ごとといった様々な視点から一定数のコレクションを作った上で開示する、というのが真っ当なやり方だろうと思われます。その点、今回の企画展もよく練られたもので、川上作品以外のものも含め、木版画の多彩な世界を大いに楽しませてもらいました。

また、久しぶりに川上作品に触れたことで昔の情熱がよみがえり、帰り際にはショップで過去の展覧会のカタログや小間物をオトナ買い。車での移動でなければ、温泉道中が始まったばかりでいきなり重たい荷物を抱えて歩く羽目になるところでした。









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Last updated  July 16, 2024 07:32:17 AM
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