|
カテゴリ:極短小説
彼女はちょっとすねていた
約束の時間になっても 僕が一向に現れないからである 「待った?」そのそっけない言葉に むーーーー。とっておきのむくれっつらをする 「忙しいんでしょ。いいモン、一人で天使の矢の練習するもん」 「オイオイ、俺を置いてけぼりにして何処行くんだよ」 「縁結びするもん、私わかるんだもん。縁を結んで欲しい人の場所がわかるんだもん」 「へーーー、そいつはすごいな」 「はらみたまはらみたまはらみたま・・・・」彼女は熱心に神道系のまじない句を唱えている。(もしかして、巫女になれなかったの恨んでる?) 「はらみたまはらみたまはらみたまはら・・・・・」(やっぱり巫女になれなかったの恨んでる?) 「はらみたまはらみたまはらーーーーー!!!!」彼女の右人差し指が僕の胸を指した(・・・俺の心臓欲しがってる???) 「縁結びして欲しいのはずばりあなたですね」 「嫌、俺縁結ぶほうだし、堕天使だけど結構働くし」 「この美しい瞳のアイドルさんなんかどうでしょう?」 「やめてくださーい、大天使長クラスの人でーーーす。いじめられまーーーす。」 「ではこの綺麗な女優さんなんかどうでしょう?」 「やめてくださーい、高貴な生まれの人でーーーす。親にしばかれまーーーす。」 「ではこの女性アーティストなんかどうでしょう?」 「そいつ海賊でーーーす。さらわれまーーーす。売られまーーーす。」 芸能界ってのは不思議な所だ、善人も多いが悪人も多い。天使長と言えどおいそれと口の出せない世界である。 彼女の視線が一瞬留まる 振り返った彼女の瞳は綺麗にハートマーク 「私この方を応援したくなりました!!」 一瞥すると、たかだか従者クラス、でもジャニーズ、たかだか従者クラス、でもジャニーズ。 日本の女天使はみんなジャニーズ好きかいっっ!! 「あの方もジャニーズ好きなんだよな・・・おてんば姫様。姫様方意外とジャニーズ好き・・・。あいつ野放しにして後で怒られるの俺なんだよな、別にいいや俺堕天使だし。またカクテルバーに入り浸ろう」 天使界の端くれに、堕天使が気分柄にカクテルを出すバーが一件あるという。 続く お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.07.23 21:36:19
[極短小説] カテゴリの最新記事
|