新しい旅立ちに向かって・・・その2
その飼い主は必死になって新しい飼い主を探してくれた。俺の良い所を必死にアピールしてくれた。その時のアピール方法とは1:小型犬で飼い易い。小さくて持ち運びも楽。2:毛が短くて(オレはスムースなので)毛換えの時期も楽。3:もう一歳半なので子供の時から飼うより躾もされているし 一から教えなくても良いので楽。4:おしっこの躾などもきちんと出来ており 毎日散歩に行かなくても家の中でするので楽。5:無駄吠えもあまりしない(オレはダックスのくせに無口だった)などであった。(これが後々問題を起こすのだが…)もちろんこんなに楽な犬は飼いやすいと思う。色々な家庭でオレについて話し合ったと思う。ある家庭での話し合いである。その家族は3年ほど前に愛犬を失くしたらしい。病気の為。14歳のワンちゃんだったらしい。そしてその悲しみも次第に癒され、やはり犬好きの家族。新しい犬をそろそろ飼ってもいいかな、なんて思っていたらしいが、わざわざペットショップなどで買いに行ってまで飼うのでは無く「何か縁があれば」という感じだった。オレはその家族のお母さんには昼間出会っていた。飼ってあげてぇっと誘われていた一人だった。でもその人は「オレを見たら可哀想でアカン・・・」と言って目も合わしてくれなかった。その日帰ったお母さんは一応家族に俺の事を伝えたらしい。家族の反応はいまいちであった。昔の犬の「死」もあり、もうあんな悲しい目には遭いたくないと思っている。犬のいない生活にも慣れてしまったら散歩や世話の大変さ、旅行や留守にする事についても犬がいると面倒になってくる場合がある。「まぁよそが貰ってくれるかなぁ」でその家族の俺についての話は終わりかけていた。最後に一応っという感じだったがお母さんが俺についての良いところのアピールをしてくれたのだ。その時である。その話を聞き少し悩んだあげく突然その家族の娘の気持ちが変わったのだ。突然俺を飼いたい!と言い出したのである。その時間は夜の10時を回っていた。「もう今日にでも欲しい!今すぐ貰いに行こ!」(←まるで子供だ。因みにこの娘は一応20代の大人である。)その頃オレはそんな話が進んでいる事を知らずにゲージの中でこれからの未来の幸せな夢を見ていた。