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テーマ:今日聴いた音楽(75212)
カテゴリ:エリック・クラプトン解説
ONE MORE CAR,ONE MORE RIDER/ERIC CLAPTON 2002
REPTILEの発表前2001年2月からヨーロッパ各地、アメリカ、カナダ、オーストラリア、日本など大規模なワールド・ツアーを行ったときの記録で、事実上REPTILE LIVEともいうべきアルバム。もっともクラプトンらしく’Bell Bottom Blues’や’ Layla’などの往年の名曲もバランスよくちりばめるという目配りを忘れていません。 亡き息子への想いを唄った’Tears in Heaven’はいまだに涙なしには聴けません。 私はクラプトンの曲はライブで聴くと数段よくなると感じています。 アルバムだと研ぎ澄まされ、やわらかい音の壁に包まれたサウンド作りの過程で、ロックとしての「荒れ」が削り落とされ、正直物足りなく思うときがあるのです。 アルバム'24NIGHTS'でもそうですが、超一流のミュージシャンたちの完璧なテクに裏打ちされた躍動感があふれた素晴しいライブ・アルバムだと思います。 そうそう、クラプトンが構想を練ったというジャケットもイカしています。 もちろん感想は★★★★★! Disc 1 1.Key to the Highway イントロからアコギの一音一音づつがおいしいスタンダード・ナンバー。 脂の乗ったボーカルも含め、すべてはゴキゲンな感じではじまります。こういう一曲目の選び方もあるんだなあ・・。私が編集するとしたらつい'24NIGHTS'での’Badge’のようにノリのいい曲から始めるだろうなあ。 2.Reptile この曲がアルバム「レプタイル」の一曲目ですが、最初の感想。 「おい!あんたはリー・リトナーかっ!」(笑)。 これがライブで聴くととてもイイんです。特にこのベースのうねり音が絶妙。 3.Got You on My Mind このお約束の「♪でゅわ~」が耳に残ってクセになりますね(笑)。 昔の曲のカヴァーかと思ったら、オリジナル?この曲はスタジオバージョンではギター、素っ頓狂な味で弾いているがここではぶっちゃけた音を出している・・と、書きましたがその後ビデオで確認したらこのプレイはギターをサポートしているアンディ・フェアレザー・ロウでした。 4.Tears in Heaven この曲をやるときは私はコンサートを見にいけないでしょう。 聴くたんびに顔中涙と鼻水だらけになってしまうから(笑)。 私がいつか大切な存在をなくしたような時には、この曲を抱きしめておいおい泣くでしょう。 5.Bell Bottom Blues デレク・アンド・ドミノス時代の超名曲。 オリジナルではDo you wanna see me~のところをジム・ゴードンがリムショットとコンガのような音を重ねて凝ったリズムにしていてコピーのとき手こずったことがありましたっけ。若いときのクラプトンはもっと切ない感じで唄っていました。 このライブではベースが相当思い切ったプレイを見せてくれます。個人的には、このベーシストで「恋はかなしきもの」’Why Does Love Get To Be So Sad’も聴きたくなりました。 6.Change the World クラプトンの曲には「自分はまだまだだ」とか「落ちていきそうだけどがんばるよ」的な歌詞が多いですね。おそらくこれがこの人の基本スタンスなんだろう。求道精神というか・・。かといって、神格化はしませんよ(笑)。 もし星に手が届くなら 君のためにひとつ掴んで 僕のハートに照らすよ そしたら君は真実が見えるはず 僕の中にある愛が すべてに思えても 今はまだ夢の中だけなんだ 7.My Father's Eye アルバム「ピルグリム」の一曲め。 はじめてこの曲を聴いたときの印象は非常に悪かった。 スティーヴ・ガッドが音を重ねているとはいえ、打ち込みを使っているではないか!しかもこのトロンとあんかけをかけたようなAORサウンドチックな音質。 私はいまだに打ち込み満載のこのアルバムのサウンド自体は好きではありませんが、この曲は名曲です。特にライブで聴くといいな、と思うのは特にこういうタイプの曲。歌詞の中身は非常に深い。 なんて声をかければいいんだ 何を教えるべきか、何をして遊ぶべきか しかし少しづつ気がついてきた これから必要なのは 今僕に必要なのは父の瞳なんだ 8.River of Tears この曲もスタジオアルバムでは気持ちよく寝てしまいましたが(笑)、ライブはまるで別物。こんなに壮大な曲だったとは・・。ここでのギターソロは白眉ですねえ・・。こういうフレーズはどうやって出てくるんだろう? ギターと対照的にわりとざっくりときかせるキーボードもいいコンビです。 9.Goin' Down Slow 自分はもう、ゆっくりと滅びていくしかない、という曲。どちらかというと渋い曲だが、途中でファンクモードになるところが好きです。ここでスラップベースをベンベンやってくれるともっとうれしかったですが、それじゃ歌詞ぶちこわしか(笑) 10.She's Gone 明快なリフのイントロはほとんどハードロック。思わず♪You Fool No One~と繋げたくなる私はパープルファン(笑)。 基調はそこのベーシストだったグレンのソロあたりに入っていそうなクールな曲(スタッカート気味のベースもそんな感じ)。かなと思うと間奏ではクラプトン大爆発。 キュン!キュン!なんてこんな音出す人だったっけ?というプレイも聴け、多面的で実にうれしいテイクだ。裏でシャカシャカ決めている16ビートのギターのバッキングもいい感じです。 Disc2 1.I Want a Little Girl この曲はB.B。キングのレパートリーだったか・・(?)。 'JEORGEA ON MY MIND'に似てると日ごろから思っている一人です(笑)。 2.Badge なんと、'24Nights'のオープニングを飾った曲。 こうしてみると結構重複が多いのです。 よっぽど好きなのだろうか。そういう私も好きですが(笑)。 ただし演奏は個人的には'24'でのプレイの方が好みではあります。 この曲は♪you drove in my car~の後にドラムのHHの「チキチキチッチーッ」とキーボの「ピロピロピロリン」がないと聴いた気がしないのですよ(わからんか・汗)。このテイクは少しあっさり味かな。 3.Hoochie Coochie Man こういうベタなブルースはちょっと苦手。 私もなんだかんだ言って「デレク・アンド・クリーム・フェイス一派」か(笑)。この表現。ちょと「麻垣康三」みたいでいいでせう(賞味期限あり)。 4.Have You Ever Loved a Woman? これも確か'24Nights'で演ってたデレク時代の曲。 今回はブルースというよりスロージャズ風味です。この曲はカクテルを一杯やりたくなりますな。いかん、養命酒しかない(笑)。 ギター、相変わらす素晴しい音色で弾きまくりです。 5.Cocaine このあとにSunshine of Your Loveを演るってのに、こんなにリフ似てる曲を出すとは・・太いのう(笑)。 昔She' don't lie ,cocaineのところをShe's all light, all light,OKって聞き取っていました。アホみたいな歌詞だと思っていたのですが・・(笑)。 6.Wonderful Night なんとこの曲も'24Nights'で!!確かにうんといい曲だけど、山ほどあるレパートリーから、なぜこんなに・・。 7.Layla 実はこの曲をライブで聴くのは初めて。クラプトンの曲で人気投票をしたらこの曲が一番になるのでしょうか。 確かにロック史に残る名曲ですよね。 この曲はしかし、あまりにスゴイ曲なのでなぜかライブよりスタジオ盤で完成された音で聴きたい(ワガママや・・)。 ちなみに私のベストは'Let It Grow'かな~。エンディングのあたりが、たまりません。 8.Sunshine of Your Love 出たっ!CREAM時代の大ヒット。 この曲ってリフが格好いいけど、実はフツーの3コードなんですよね。 ベースはCREAMのときのように挑みかかってはきません(笑)。 ときどきハーモニクスで盛り立てておりますが。ドラムもオリジナルほどバタバタしません(笑)。さぞかし安心して弾けるのでしょう。クラプトン先生、実に実に気持ちよさそうであります。。 9.Over the Rainbow こないだ行ったベックのエンディングも確かこの曲だったような・・。 無論リッチーの定番でもあります。 この曲には何か天才ギタリストたちをとろかす隠しメロディがあるのかな・・。最後はナタデココのような後味で締めくくりました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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