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テーマ:今日聴いた音楽(75212)
カテゴリ:ユーライア・ヒープ解説
HIGH AND MIGHTY/URIAH HEEP 1976
70年代ブリティッシュ・ハード・ロックの雄、ユーライア・ヒープは入れ替わりの激しいバンドです、'DEMONS AND WIZARDS'から'WONDERLAND'あたりまで、つまりボーカルのデビッド・バイロン、キーボードのケン・ヘンズレー、ギターのミック・ボックス,ベースはゲイリー・セイン、ドラムはリー・カースレイクというラインナップが一番人気があり、黄金時代といわれます。 特にゲイリー・セインは感電事故で再起不能、解雇された後薬物中毒で夭折した悲劇のベーシストですが、特に同業のベースプレイヤーから尊敬を集め、いまだに熱狂的なファンも少なくありません。 ただし、初期の大ヒットアルバム'LOOK AT YOURSELF'はベースがポール・ニュートン、ドラムがイアン・クラークであって、私の大好きな’JURY MORNING’(「7月の朝」)もこのアルバムの収録曲でした。 しかしこれらの曲をライブで演奏したセイン、そしてカースレイクのリズムセッションの迫力はやはり圧倒的で、その最高のライブは'URIAH HEEP LIVE JANUARY 1973'で耳にすることができます。 このアルバムの一枚前、RETURN TO FANTASYからは「マエストロ」ジョン・ウェットンがベースを執り’RETURN TO FOEVER’で盛り上げるものの、すぐにバイロン、そしてウェットンまでがこのアルバム’HIGH AND MIGHTY’を最後に脱退してしまいます。 バイロンが抜けたヒープはその後実力派ボーカリストのジョン・ロートンを入れ、’FIREFRY’を発表するが、初期のヒープサウンドからはどんどん乖離してゆきます。 ちょうどこのころパープルファンもバンドが全く別物になっているのにもかかわらず'IN ROCK’のようなアルバムがいつ出るかいつ出るかと待ち焦がれており、それと同じ思いをヒープファンもさぞかし・・。と思うのでした(笑)。 というわけでどちらかというと中途半端な位置づけをされているこの’HIGH AND MIGHTY’だが、改めて聴くと、かなーりイイのです。 ちょっと中だるみはないとは・・言い切れないまでも(笑)できれば、ウォークマンやカーオーディオとかじゃなく、ちゃんとしたオーディオ装置で聴くと良さがわかるでしょう。 みんな、いろんな隠し味を出しているし、なんだかんだ言ってもバイロンだし・・。私としては★★★★。ちょっと甘いかな?? 1.One Way or Another ヘヴィーロックのお手本のような曲。イントロでみせる重だるいカースレークのオカズがイイ。エンディングのコーラスとキーボのかもし出す幻想的な雰囲気はまさにヒープだけのもの。 2.Weep in Silence ひたすら耽美的な曲でこれもさすがヒープ。 私は基本的にSGのこのガサガサした音はあまり好みではありませんが、この曲での随所のソロはとてもいい味わいです。 年輪とともにわかってくるミックの良さ。「寝たきりギタリスト」などと呼んでいた私が未熟でした(笑)。 この曲なんか、ちょっとレイヴォーンの'LITTLE WING'みたいではありませんか(誉めすぎか)。 ウェットンのベースも耳を澄ますといろいろなフレーヴァーを出しています。 このアルバムで一番好きな曲だな~。 3.Misty Eyes あっさり目の曲ですが、バイロンの通常での音域での声の良さを強く感じます。 コーラスも美しく、この曲もほかのバンドではできないやね。 1コーラス目は「哀れみの涙」のモトネタ?なんて勘ぐったりして・・(わかる人は少ないか・笑) 4.Midnight 深夜、深海の探検隊のようなイントロ。ところどころでさらっとやってみせるウェットンのベースランニングや長いハイテクオカズがゴキゲン。 ケンのキーボードのサウンドのよさも再認識。この曲もいいぞ!! 5.Can't Keep a Good Band Down あまり特徴のない曲なので私はバックのウェットンの手数の多いベースばかりを聴いております。 6.Woman of the World ヒープ得意のシャッフル責めかっ!と身構えたら案外メロディアスなナンバー。 リズムが変わる場面ではビートルズ風味が少し?フェードアウト時のウェットンの「隠れ三連オカズの嵐」を聴きのがしてはなりません。 7.Footprints in the Snow この曲、2曲をまぜこぜに作ってしまったような感じがします。劇的な部分を美味く盛り上げたらジミヘンの'ALL ALONG FROM THE WATCHTOWER'のような大作になったのでは? 8.Can't Stop Singing 目をつぶるとミュージカルの劇所にいるような気がしてきます。 こういう小品が並んでしまうところにこのアルバムの弱点があったかなあ。間奏ギターソロのあとのシンセが意表をつく音でそこがよかった。 9.Make a Little Love この曲はミックがリフを弾く音とリードに移ったときの音量があまり変わらないところが寂しいです。よく聴くといいオトだしているのですが。もっと、前に前に!! ウェットンの野太いオトに負けてるぞ!!曲そのものは・・たいしたことないかな(笑)。 10.Confession ピアノとコーラスの美しいナンバー。これはイイ曲ですよ。 すべての日々、 私は陽春の息吹とともに あなたの心を満たし、 そしてあなたに届けることができる いくばくかの歓喜を 宇宙にまで探しにいくだろう 例えは変ですが、このコーラスはヒープというより往時の’AMERICA’のピュアな風のようなものを感じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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