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カテゴリ:ユーライア・ヒープ解説
このバンドで、もしどうしても一枚だけ、というのであれば、演奏面では次のメンバー構成がベストですが、曲のよさでこのアルバムかも・・。
なにしろロック界のマイベスト'July Morning'がありますからね~。 この曲には苦い思い出があります。 ちょっと、付き合っていただけますか・・コポコポ(ビールをつぐ音)。 ***** 無謀にも大学祭のサテンのステージで、叩きながらこの曲を歌ったのは、ドラムはじめて5ヶ月めの秋だった。 今考えるとシャウトに渋みがまったくなく、まあ「リハビリ中期の野口五郎」のようだったかもしれない。オカズもタムとバスドラを組み合わせて、なんてことはできなかった。 しかし初心者ドラマーとしての最大の問題は、あの延々と続きフェードアウトするエンディングをどう締めくくるかだった。 当初の案は、「バスドラを使って俺の「ダドンド!ダドンド!」が始まったら4小節やって終りね♪」というありがちにして大雑把なものだった。 しかし不幸はいつでも突然やってくるものだ。 あのときも・・エイディングのキーボソロで、私が「いつもより余計に鳴らしてます~」というノリで力みすぎなければ・・。 右足に、「ン、足応えがなくなったな・・」と思ったら、なんとバスドラを打ち鳴らすべき・・何というか・・専門用語で「ビーター」(こけしの頭みたいなヤツだ)がころころころろんと客席のほうへ・・。 バスドラを、頭なしの「棒だけで」叩くことになってしまったのだ。本番中に。まことに遺憾極まりない事態であるといえよう。 帰ってこい!!私のビーター!・ってか・・。 私は心底あせった。 それまでの一生でこんなにあせったことはない。 それからも今までない。 この演奏を私の合図で終わらせなければならないのにだ。 合図するすべは、すでに客席の中に吸い込まれてしまったのだ。 私は「着陸寸前、機器の故障でどうしても車輪が出ない機長」の思いであった。 次に私がやったことは、いろいろな「顔で」メンバーにイッツエマージンシーであることを悟らせようとしたことだ。 「顔文字」のはしりである。違うか・。 「おいらの、バスドラのペダルが、壊れちまったんだようっ!!!!」 という顔を精一杯した。 そのときの努力を誰かわかってほしいが、 メンバーは私の表情の真意をまったく掴みとってくれない。 「こいつ、ずいぶんとイレこんでやがるな~さっさと終わりやがれ!」って表情でニヤニヤしている。 TPOってものがあるだろう。 さらに言えば、通常の職場のコミュニケーションがいかに大事かという端的な事例である。 私は躊躇したが、 どうせこのままなら低音が不自然なのは必至!! と悟り イモだな~と思いつつ、 フロア・タムを ダドン!ダドンド! と打ちならして回りの了解をゲットした。 なんとか事なきを得たのであった。 ******************* あ~今思い出しても汗が・・。 しかしこの直後の私の師匠の言葉が非情でした。 「今日の演奏よくなかったね~」 事情を説明すると、 「お前アホだね~」 と一言総括。 「悪いのは日常的な備品管理体制だろうがっ!」 とそのとき思ったのですが、よく考えるとそうした管財機能(ローディ)を果たすとすれば新入りの私以外なかったのであります。たはは・・ さて前置きが長すぎました。★★★★☆ 1. LOOK AT YOURSELF 音がはじまったときから最後まで続くこの緊迫感、いいぜ~。 こういうお夏・・いかん誤変換だ、音圧ではボーカルの歌唱力だけが頼りですが、 バイロンはギランと双璧の実力です。もしかするとバイロンが上かも。 HEEPはメンバーがみんなコーラスの4番打者で、穴がありません(笑)。この曲を聴いたときかなり驚きましたねえ~。 でも逆にこのコーラスの素晴らしさがヒープ人気を足を引っ張ったかもしれません。 なぜなら、こんなにうまくコーラスをコピーできるアマバンそんなにないですからね(笑)。 売れるためには、大学祭でみんながやれなければならなかったのです。 2. I Wanna be Free この入り口ですべっていたらヒープはここまで成功していなかったでしょう。 よく構成されている曲です。ケンさんの頭のよさか。 3.July Morning ピュアな美しさと同時にシュールにして不吉な影を持つ曲で、その不安定さに自分自身を投影して感情移入していた時期がありました(前述のエピソードはご愛嬌として)。 今聴いても、神がかっているくらいの名曲だと思います。 この曲をセインとカースレイクがライブでやるとさらに最高中の最高になります。 4. Tears in My Eyes こういうキメの多い曲をヒープがやるときは割りとネタ切れのときですよね(笑)。 この曲は演奏面ではミック・ボックスがサウンドの中心になっているかな。ワイルドさ、華麗さ、いろんな表情を見せてくれます。当時のリッチーやペイジに比べてはいけません。誰だって大天才と比べられるのはいやでしょう(笑)。 5.Shadows of Grief このリフ、ウェーバーの「オペラ座の怪人」の流用か(笑)。 でもこういう曲は、ヒープの独壇場でもあるんですよね。 全体に構成は冗漫なのとミックのギターソロがやや愚直すぎたのが残念。 6. What Should be Done ちょっと一服・・の作品として完成されています。 7.Love Machine パープルのアルバムだと最後に実につまらん曲がくることが多いんですが(「A200」とかね・笑)、これは結構悪くありませんでした。
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