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オフミの温泉メロディ

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Feb 18, 2006
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カテゴリ:読書・映画
アルカージイ・・形式上の主人公。親友パザーロフに心酔する純真な若者。
パザーロフ・・この小説の中心人物。ニヒリストの医学生。
ニコライ・・アルカージイの父。
パーヴェル・・ニコライのアルカージイの伯父。退役軍人。

ニコライ・ペトローヴィッチは二千町歩の領地を持つ富裕な地主。自慢の息子アルカージイが大学を卒業して里帰りするのを今か今かと待ちわびていました。

しかし息子に同行し逗留することになった親友パザーロフは「招かざる客」でした。

パザーロフは、全てを批評的に見る、ニヒリストの立場をとる医学生であり、農奴に土地を分け進歩的地主を自負していた父ニコライは、自分達がいかに時代遅れな田舎者であるかを彼からあからさまに指摘され、愕然とします。

また、純真な少年だった息子がパザーロフに心酔し、その思想的影響を受けていることにも失望を禁じ得ませんでした。

一方パザーロフもこの逗留で苦しみの種子を抱えました。

寡婦(古い言い方ですが・笑)オジンツーヴァへの愛情です。

 一切の宗教、哲学、芸術を一笑に付し、全ての精神的自由を勝ち得ていた彼は思いがけない情動の出現に戸惑い、自己撞着に激しく苦悩します。

その姿は傍目には滑稽であるとも言えますが、ツルゲーネフは死の間際まで英雄的な戦いを続けた彼に、限りない共感の目を注ぎます。

「ニヒリスト」という言葉は、彼の創作によるもので、小説発表後、たちまちロシア全土に広まったといわれます。

彼が愛着を持って描いたパザーロフの存在は、しかし当時の青年インテリ層から非常に大きな反発を受けたといいます。

 それは彼の類稀な精神力が社会の進歩改善への理想に向かうことがなく、そうした努力をも冷笑するのにとどまったからだといわれます。

 この小説の素晴らしさは、最愛の息子が自分たちの世代の考え方を全否定する友人を連れてきて時代に取り残された悲哀を味わわされる、というプロットの中に、19世紀後半の新しい社会運動の中心となった新しい知識階級の青年達の先進性と危うさとを、極めて生き生きと描ききっていることでしょう。

私はこのパザーロフが嫌いではありません。
 進学校だった高校の同級生に、こういうのがはいて捨てるほどいました。

私はどちらかというと彼に似ていたとおもいます。
 今は・・ニコライ父さんになっていますが(笑)。

 ここで印象に残ったフレーズをいくつか抜き出しておきましょう。

 ○ニコライ・ペトローヴィッチは何か言いたそうにしながら、身を起こして 両手を開こうとした・・と、アルカージイがいきなりその首筋に飛びついた。

「いったいどうしたんだね?また抱き合っているのかね?」

こういうパーヴェル・ペトローヴィッチの声が二人の後から聞こえた。
 この時この人が現れたのを、親子は同じ様に喜んだ。どんなに感動すべき場合でも、少しも早くそれを切り抜けたいような時が、ままあるものである。

○(パーヴェル)「我々は旧時代の人間だから、プリンシープルなしには、お前のようにプリンシープルを信じることなしには、一足だって歩くこともできなければ、息をすることもできやしない。お前達はすっかり変わってしまったね」

○十年の歳月はこうして花も実もなく、急にー恐ろしいほど急にたってしまった。ロシアほど早く時のたつところは、他にまたとないのだ。人の話によると、牢の中ではもっと早いそうである。

○「まあ、わたしに恋ができないんですって?」と彼女は口を切った。
「おぼつかないですね!しかし、僕がそれを不幸といったのは間違っていました。
それどころか、むしろそんな目にあったものこそ、憐れんでしかるべきなんですよ」
「どんな目にあうんですの?」
「恋することです」
「それがあなたどうしておわかりになって?」
「人の噂でね」とパザーロフは腹立しげに答えた。
「お前さんは人をおもちゃにしてるんだ」と彼は考えた。「お前さんは退屈なものだから、
暇つぶしに人をからかってるんだ。ところがおれは・・」
実際、彼の心臓ははりさけそうであった。

○「おい、アルカージイ・ニコラエヴィッチ」とパザーロフが叫んだ。
 「たった一つだけお願いがある、美辞麗句だけはよしてくれ」





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最終更新日  Dec 18, 2010 02:43:29 PM
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