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カテゴリ:読書・映画
このマンガ・・とにかく面白いっ! ただ少々ハナにつくのは、どんな強い相手とやるときでも、常にハンディを負うようにムリに持っていくこと。 「絶対、負けて当たり前」の中で、周りの心配を押しのけて勝つ・・それだけ陸奥は強いんだっ!というパターンは、確かにヒーローものの常道ではあるが、ちょっと、付き合いきれなくなるときもあるんだなあ。 例えば、宿敵・片山右京と対戦したとき、飛田戦でボロボロにダメージを受けてしまい(なんとアバラを骨折!)、ドクターストップがかかってもおかしくない状態であった。 これは、右京のためにもベスト・コンディションで臨んで欲しかった。 もっともこれを深読みすると、ベストの状態で片山に勝つと、片山と海棠晃との差が開きすぎてしまい、海棠を永遠のライバルとして引っ張ることが不自然になってしまうということもあるのかもしれない。 しかし第二部のアリオス・キルレイン戦は、このマンガのハイライト中のハイライト。 それが対戦直前に龍造寺巌と対戦し、アバラと左手の拳にヒビを入れてしまいました、はお粗末だろう。アリオス、そんなに弱いのか。 それにだ。TPOもわきまえず真剣勝負をいどんだ龍造寺は中年キャラにしては分別なさすぎではないか。私はこの一件で彼に対する好感度が50下がった。 さて、片山右京、いかにも典型的なクールでナルシスティックな二枚目キャラである。 ■片山右京・・まずはウィキペディアより・・ 「全日本鬼道杯大会一位。"氷の貴公子"の異名を取る天才。抜群のセンスと驚異的な見切りを持ち、見ただけでその技を使いこなしてしまう 天才ぶりで、九十九との戦いでは牙斬を模倣し、龍破でさえも迎撃することに成功するが必殺技の菩薩掌を破られたその時、生まれて初めての恐怖を味わうこと となった。」 「菩薩掌」というのがすごい技である。相手の頭を両手掌に挟みこみ、瞬間的に何千回と往復で衝撃を与える。相手の脳はそのたびに頭蓋にたたきつけられボロボロになるという。陸奥はこの技に対し、自分から両手で菩薩掌を挟みこみ、振動を抑えることに成功。そこから「虎咆」で片山を一度は倒すが、・・・ その後の展開に私はわが目を疑ってしまった。あのクールな二枚目だった片山が、神の境地に入ったとかいうことで、なんと「笑い仮面」(注1)のような面相になってしまったのだ。もうイメージぶち壊しである。 この戦いで破れた片山は、その後フツーの青年の風貌になって現われる。 乗っているクルマが「スズキ・エスクード」というからその落差に驚く。 陸奥と対戦する前の片山はポルシェかフェラーリしか似合わないオトコだった。それがなんとエスクードときた。 片山、「自分さがし」に走ったかあっ! その後、片山が対戦する場面は見れずじまいになったが、彼は次の戦いではどんな顔をするのだろうか。私はそれが何としても見たい。 ・・続く 注1「笑い仮面」・・楳図かずおの比較的初期の作品、恐ろしく深みのあるホラー・コミック。小学生の頃、このマンガがとても怖かった。笑った顔がこんなに怖いなんて・・と思ったものだ。楳図かずおホームページ参照。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Feb 25, 2007 12:49:29 PM
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