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カテゴリ:ジェフ・ベック解説
1.Bolero 2.Stratus 3.You Never Know 4.'Cause We've Ended 5.Behind the Wall 6.Two Rivers 7.Star cycle 8.Big Block 9.Nadia 10.Angels 11.Scatterbrain 12.Led boots 13.Pork Pie/Brush 14.Blue Wind 15.Rainbow 1.このステージ(アルバム)の導入部として、これ以上相応しい曲はあるまい。さ、これからベック・ワールドが幕をあけますよ、という高らかな宣言のようである。ベックの音色はまるで「火の鳥」のお出ましのようでもある。 しかしやっぱり、2.のストレイタスに移行したところで、私は小躍りしたくなる。 ビリーコブハムのソロSPECTRUMからのナンバー。 どうしてこの曲が繰り返し演奏されるのか。 このSPECTRUMこそは、当時のベックに計り知れない衝撃を与え、そこに啓示されたロックとジャズの融合の姿が自らの転機をもたらし、BLOW BY BLOWからの快進撃を生んだ記念碑だったからではないか。 はじめは両方のプロジェクトに参加していたヤン・ハマーが繋ぎになっていたのかもしれないが、根底的には、そうした自分史的な意義をかみ締めるための曲なのかもしれない・・・。 ヤク中毒のためディープ・パープルでは才能の10分の1も発揮できなかった、夭折の天才ギタリスト、トミー・ボーリンにオマージュを表してか、ベックは後編でキレ気味のフレーズをかましてくれる(トミーは別の曲で凄いプレイをやっているのだが)。 カリウタのドラムも張り切っているが、若干手数が大杉ではないだろうか。 しかし後半見せる怒涛の攻撃はやっぱり誰にも真似ができない。 3.は私がベック・ナンバーで一番好きな曲かもしれない。 デッデッデデデデ、デッデ、デッデ、デッボヨヨ~ン というリフ、何故か私の人生に嵌った。 そして転調し、バスドラムが16ビートで刻むあたりで私は自分の意思に関係なく盛り上がってしまう。 この曲をぜひ、オリジナルのサイモン・フィリップ以外のドラマーでやってほしいとかねがね思っていたのだ。 4. はおそらくオーディアンスの人気No.1の曲だろう。私も大好きだ。 が、アルバムでのテイクの方に魅力を感じる。それは、アルバム・バージョンのギターの「泣き具合」が、史上最適値だったと思えるからだ。 あの、暗闇でしくしくとすすり泣くような感じ・・はリアルタイムでは青春期末期だった当時の私の琴線にふれたものだが、このテイクではすすり泣きというより「大泣き」で、ちょっと引いてしまうところがあった。 パソコンからイヤホンで聴いたときは「明星チャルメラ」という感じも拭えなかったが、やはりちゃんとしたオーディオで聴くとホッとした。 しかしビミョーな演奏ではある。 5.こういう曲は・・実は苦手である(笑)。 スローな曲が嫌いということではないが、このレゲエを崩したようなリズムはなんだかカッタるく感じてしまうんだなー。 中盤以降、テンションは凄いことになって、聴きごたえ十分となる。 6.は、5.の身体にまとわりつつ濃霧の峠越えをしているような曲のあとに魅力的な現われ方をしてくれた。 息を切らしながら歩いていると、何らかの意思が働きでもしたようにすーっと霧が晴れて、目の前にこの世とは思えない桃源郷が現われた、そんな心象サウンドが開けてくる。 大好きな曲だ。 ・・ここで力尽きた。続く。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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