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テーマ:DVD映画鑑賞(14128)
カテゴリ:読書・映画
ロジャー・ムーア出演作の中ではかなりの良作ですね。
ムーアがそろそろ爺さん顔になってきているのが気にはなります。スタントマンを使わない場面での格闘シーンなどはだいぶ緩慢です。 その分、インド・ウダイブルでの豪勢な舞台を生かした気合いの入ったロケをしております。 雑踏の中のオート三輪車での逃走シーンは見応えがありました。こういう何気ない場でのスリルのほうがカメラマンの腕前が出るものです。 今回の女主人公オクトパシーの住居は湖に浮かぶレイク・パレスを、悪玉カマル・カーンの基地はモンスーン・パレスを利用。どちらも昔の王侯の絢爛たる生活文化を髣髴させる舞台設定です。 女傑・オクトパシーは宝石の密輸という悪に手を染めていますが、一方で放浪の身の女性を引き取って生き甲斐を与える事業も運営しており、根っからの悪人ではありません。 一方のカマル・カーンはオクトパシーの従順な手下を装いながら、ソビエトの狂った愛国軍人に手を貸しアメリカ基地での核爆弾テロを企てるなど酌量の余地のなき悪人です。 最後は自分の操縦するヘリとともに爆死しますが、彼にはもう少し悲惨な死をあたえてもよかったかもしれません。 007はツカミから大きな山場があることが多いですが、ここではミニジェットの活躍が見事です。古びた馬車から際新鋭の兵器が飛び出してきて追っ手の度肝を抜くところが痛快です。 この作品の欠点は、冗長なアクション場面が多すぎて、ストーリーに深みが感じられないことです。 オクトパシーはボンドが口論したのち、すぐにボンドの誘いにのってベッドインしますが、一定の時間をおいて心理的な変化を誘うドラマがあるべきでしょう。 「私を愛したスパイ」ではヒロインは恋人を殺された復習心をずっと持ち続けますが、危険を省みず自分を救出にきたボンドをみてその憎しみの氷が溶けます。 そのあたりのプロセスがまったくないところがつまらない。 カマラの宮殿を脱出したあとの密林での追跡シーンや列車屋根でのアクションなどもやたらと長いです。 ボンドガールは2人、オクトパシー役のモード・アダムスとその部下で背中に小さいタコの入れ墨を掘ったクリスティナ・ウェイボーンですが、チョイ役の後者のほうが美人だと思います(好みの問題ですが)。 この作品はインドのロケ地の風光と文化を楽しむことに徹してみるべきでしょうね。 ★★★☆
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最終更新日
Sep 4, 2010 07:30:52 AM
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