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カテゴリ:live talks
ためてためてドーン!

どとーのライヴレポ3連発も最後の一発。そしてトリに相応しいヘヴィメタルの重鎮、IRON MAIDEN。水曜の武道館と土曜の国際フォーラムの2日間観てきました。今回は武道館のレポをメインに書きたいと思います。

とりあえずなにはなくともメイデン@ブドカン!何とも感慨深いものがあります。
以前OFFSPRINGやBEASTIE BOYSを武道館で観た時には得も言われぬ違和感を感じたものですが、MAIDENだとしっくり来る。それはお互いの荘厳な印象から来るものだと思う。。。ってのはメタルファンの偏った意見ですかね。

それはそうとして今回の来日の目玉は何と言ってもニューアルバムA MATTER OF LIFE AND DEATHの全曲演奏。
コンセプトアルバムでも、METALLICAのような過去の名盤でもないという中での全曲演奏という今回の試みから、メンバーがいかにこのアルバムに自信を持っているかということが窺える。初めこの試みを聞いた時は、昔の曲をもっとやって欲しいと思ったけど、良く考えると、今後こんなセットリストは二度と体験出来ないワケで、そう考えるとこれはこれでありがたいことなのだと納得した。これが酷いアルバムだったら話は別だが、このアルバムはメイデンフレーヴァーがたっぷり入った良盤である。

そんな中でいきなりケチをつけて何だケド、今回どうしても納得いかなかったのがオープニングアクトのLauren Harris。スティーヴハリスの娘なワケですが、ま~つまんなかった。
発表された時一抹の不安を抱きつつも、もしかしたら逸材かもと思い、HPで試聴してみた。まぁどこにでもいそうなポップパンクバンドだった。実際のステージングもイモ臭さ満点でまいったまいった。脇を固めるメンバーは実力者だったような感じはしたが。
全米を廻ったBULLET FOR MY VALENTINEもいただろう。新譜を発表したばかりのTRIVIUMもいただろう。常に完璧を求めるスティーヴだからこそ、今回のこのオープニングアクトの選択は残念でならなかった。

それはそれとしていよいよ本編。ほぼ満員となった武道館の日の丸が更に気分を高揚させる。ボクの席は2階席だったけど、武道館は丸いのでそれほど距離が遠いとは感じない。どうでもいいけど、会場で松葉杖をついたファンを数人見かけた。足を折ってでも駆けつけるダイハードなメイデンファンってコトでいいのかな。

お決まりのUFOの"Doctor, Doctor"のBGMがかかり、場内は手拍子が起こる。その最中に幕の袖を動くメンバーを発見すると更に大きな歓声が。そしてBGMが終わり、クワイアの効いたSEがかかり、アルバムと同じく“ええぃ”(って実際言ってるのかどうか知らないケドボクにはそう聞こえる)との掛け声から"Different World"がスタート。

前回の来日時と同じ感じで、ステージは戦場のようなセットが組まれ、1段上にも細い道が出来ていてブルースが自由に走り回れるようになっている。DVD等の映像で何回も観てきたが、とにかくメンバー、特にブルースとスティーヴは、ステージを所狭しと動く動く。ブルースに至っては動く上に歌うわけだからたいしたもんだ。そして残りの3人のg.もひたむきにプレイを続けている。前から思っているケド、楽器をやらないボクにとってこのトリプルギターというのは音的にどこまで効果的なのかイマイチ分からない部分がある。3本のギターがそれぞれ違うメロを弾く場面ってのはそ~多くはない。音の厚み的にもそこまで圧倒的というワケでもない。個人的には“3人である必要はないがキャラクター的に誰を外すわけにもいかない”という意味でのトリプルギターであると理解しているのだが、異論がある人も大勢いるだろう。

てなわけで当然アルバムと同じ流れで"These Colours Don't Run"へ。メイデンらしいフックとメロディに溢れた曲だ。とこれから順に新作の今日を演奏していくわけだケド、ほぼ全曲において、イントロには手拍子が起こる。というか手拍子がハマる。この軍隊調というか、ズンズンと進んでいくリズムはやはりメイデン独特のものがある。今回全曲演奏ということでアルバムをそこそこ予習していったが、やはりライヴで改めて聴くと良質の楽曲が揃っていることが分かる。飽きはほとんど来なかった。ただどうしても最後の方になると“あぁそろそろ終わりだな”との思いはよぎるようになる。それは当然、そのあとは過去の名曲が炸裂することが分かっているからに他ならない。

曲毎にバックドロップも変わったりして、前回ほどではないにしろ、演出は凝っていた。個人的なハイライトは"Out Of The Shadow"で、朗々と歌い上げていたブルースの歌唱力が圧巻だった。後半になるとさすがに高音が出にくくなっていた(最後の"The Legacy"がアルバム中一番高音を必要とする曲というのも皮肉なもんだ)が、それでもフェイクすることなく必死に声を振り絞って歌うブルースは、やはりメタル界のベストヴォーカリストといっても差し支えないだろう。始まって数曲で全ての人が聞きたかったであろう“すくりぃーむふぉーみーときお~!!”も炸裂し大歓声でもって応える観客。これはもはやブルースの専売特許だ。ちなみに曲間、数回のMCが入ったが、訛りとスピードについていけず轟沈。
とにかく"The Legacy"を厳粛に演奏し終えたバンドに、観客から惜しみない拍手が送られた。

しかし。。。だ。

その後に鳴り出した"Fear Of The Dark"のイントロに対する歓声は今までのそれを遙かに超えていた。そう、やはりファンは往年の名曲を聴きたがっていた。それまでのライヴの流れとその後のライヴの流れは明らかに違うものだった。それはボクも例外じゃなかった。この曲のイントロでの“おお~おお~おお~おお~”という圧倒的な漢(と書いて“おとこ”と読む)パワーは筆舌に尽くしがたい。会場には女性も結構いたが、このイントロの大合唱はやはり男の咆吼が似合う。
"Fear Of The Dark"~"Iron Maiden"で本編を終え、アンコールで"2 Minutes To Midnight"~"The Evil That Men Do"~"Hallowed Be Thy Name"。この5曲の間は、今までの聴くという体制から参加するという体制にシフトチェンジしていた。ボクも我を忘れて歌いまくった。今まで散々溜めてきた分をこの5曲で一気に放出したという感じだ。この爆発力は奇しくもアルバム全曲演奏という流れがあったからこそのものだと思う。溜めて溜めてドーン!だ。あ、ちゃんとエディも登場しましたよ。

そんなこんなで"The Trooper"も"Run To The Hills"も"Number Of The Beast"もやらなかったけど、これはこれで素晴らしいライヴだった。メイデン健在は充分にアピールしたと思う。

2日目の国際フォーラムは1階席でより近くで観ることができた。音も良かったが、ブルースの調子は武道館の方がよかったと思う。ただ何より残念だったのが、セットリストが武道館と全く同じだったということ。構成上変更が効かないのは分かる。ただ最後の一曲だけでも変えてくれていたら印象はまた大きく違ったのではないだろうか。

欧州の異常なまでの人気に比べて日本ではまだこのサイズの会場で観られることは幸せだ。今後何年続いていくか分からないが、メイデンはどんな時も、ベストの状態でパフォーマンスをしてくれることだけは確かだ。メイデン!!名電!!

IRON MAIDEN are:
ba. Steve Harris vo. Bruce Dickinson g. Dave Murray g. Janick Gers g. Adrian Smith dr. Nicko McBrain





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Last updated  2006.10.30 18:29:21
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