HAREM SCAREM @Club Quattro 7/14
ルースと緊張感のバランスから垣間見える現在の彼らカナダのメロディメーカーの2年ぶりの来日公演に行ってきた。前回は名盤Moodswingsの完全再現というスペシャル企画だったが、今回は2日間公演のうち、初日はEarly Times+最新アルバム13からの構成、2日目はAll Time Bestという今回もスペシャルなライヴ。昨今は何らかの冠企画がないと集客もままならないのかと思いつつも、ファンとしてはやってくれるに越したことはない。どっちの日に行くか若干迷ったが、初期のファンとしては初日は外せない、ということで初日に行くことにした。会場は渋谷のクラブクアトロ。来るのが結構久々な気がすると思ったら3年前のA DAY TO REMEMBER以来だった。会場はそれなりに埋まっており、根強い人気を感じさせた。9月にはH.E.A.Tのライヴにも行く予定だが、これからもこういうメロハー系のバンドの来日公演が定期的に行われて欲しいと思うし、そのためにはこのぐらいの客は入らないといけないね。と言いつつなかなか最近自分自身この手のバンドのライヴには行けてないんだけど。。。今回のメンバーはba.以外は前回と同じ。dr.のDarrenも同行している。そのba.のStan Miczekは長髪で長身。ロッカー然とした風貌だ。ライヴは最新アルバムからのGarden of Edenでスタート。今回のアルバムも良質なメロディが満載の良いアルバムだ。今回のライヴではこのアルバムから、Troubled Times, The Midnight Hours, All I Want, Saints & Sinnersの5曲が披露された。過去の名曲の間に入っても全く遜色ない印象を受けた。そして注目のEarly Times。Moodswingsからは、彼らのアンセムでありライヴの締めとなったNo Justiceの他、Saviors Never Cry, Sentimental Blvd. Stranger Than Love, Mandy, If There Was a Time, Empty Promises, Change Comes Aroundを披露。特にDarrenのvo.であるSentimental Blvd.が最高だった。ヘッドセットタイプのマイクから放たれる彼の声量のあるハスキーヴォイスはロックソングにはもってこいである。キャラクターも一番ロックスターの佇まいで、このバンドには欠かせないキャラクターである。彼も含んだ4人全員がコーラスに参加出来るのがこのバンドの強みであり、アルバムの重厚なコーラスも見事に再現して見せる。そして1stアルバムからはHard To Love, Distant Memory, Honestly, Slowly Slipping Awayに加え、Something To Sayが披露されたのが驚きだった。PeteとHarryの2人で奏でられる珠玉のメロディをもつこの曲。しばらく聴いていなかったので、最初は何の曲だったかピンとこなかったが、その後、そう言えばこの曲かと理解し、素敵なボーナスをもらったと感謝した次第。ちなみにこの曲が演奏されたあとに、Honestlyが演奏されたのだが、原曲よりは大分ルースな感じというか、遊びを入れながらの演奏だった。このバンド、特に2ndアルバムに関してはサウンドプロダクションも含めただならぬ緊張感を含んだアルバムであると個人的には感じており、その緊張感も含めた再現を期待していると、今回のようなルースな感じは少しがっかりする。ただ、以前は初期の曲を演奏すること自体に抵抗があったと記憶しているので、そのあたりのジレンマを乗り越えて、今は昔の曲をたっぷりと披露してくれることが非常にありがたいので贅沢は言えない。途中、Harryがチューニングをするための妙な間が何回か起きたりもしたが、こういう遊びの部分を入れながらプレイするのが今のスタイルなのだろう。ただ、Change Comes AroundやNo Justiceの完璧なアンサンブルはアルバムのそれとも寸分違わぬ緊張感であり、やはりこの曲は全HAREM SCAREMファンにとって永遠の名曲であるのだろうと思う。1時間半弱のライヴ。バンド名の変更や解散、再結成という紆余曲折を経て、ヴェテランの域に達してきた彼らだが、現在の彼らも定期的に良質なアルバムを出し、ライヴでのまとまりも文句ない。今後の活動にもまだまだ期待出来そうだ。HAREM SCAREM are: vo/g. Harry Hess, g/vo. Pete Lesperance, dr/vo. Darren Smith, ba/vo. Stan Miczek §ぽっぷびぃと§