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カテゴリ:live talks
SWIMMING IN THE AIR

今年2発目のライヴは、昨年のフジロックでも来日し、圧巻のステージだったと噂のオーストラリアが生んだ時代を超越したロックンロールバンド、WOLFMOTHER(冠長すぎ)。
個人的にAlbum of the Yearの7位にも入れたほど、彼らの古くて新しいサウンドは魅力的でした。
なんて言うか、このバンドのライヴが悪いわけがないってアタマが確実にあった。こういうバンドってそう多くない。それだけに期待値も高いし、ハードルも高くなる。まぁ結論から言っちゃうと、そんなハードル彼らは軽々と超えちゃったんだケド。

場所は恵比寿のLIQUID ROOM。なんか久々だなぁと思っていたら、去年は一度も行ってなかった。中入ったら前回来た時と内装がケッコウ変わっててビックリした。
客入りは、前座登場時で6割、メイン登場で8割ぐらいだろうか。i-PODのCMソングにまでなったことを考えるとちょっと少ない気もしたが、タイミング的にずれたからかも知れない。

その前座は同じオーストラリア出身のWOLF & CUBというバンド。日本デビュー前のバンドで、チラシによると“型破りのツインドラム”がウリとのこと。ドラムが二人いるんですね。確かに登場時のインパクトはありました。
。。。が、曲はド単調な“型通りの”サイケデリックロック。ドラムが二人いる意味も分からないほどでした。ライヴだからまだ耐えられましたが、CDだったらキツイだろうなぁ。
推してるわりにはg/vo.とba.に牛耳られているツインドラムがいるバンドとして、今後ボクの記憶から徐々に消えていくことでしょう。

そんなこんなでいよいよメインアクトの登場。場内が暗転して、メンバーがゾロゾロと(といっても3人だけど)現れる。
オープニングのイントロとかバックドロップとか一切ナシ。ベースとギターとドラムとアンプと。実にシンプルなステージ。
幕開けはシャウト一発で始まる"Dimension"。アルバムと同じスタートだ。

ズンズンとリズムを刻むギター、ベース、ドラム

。。。この一曲で決まった。。。やっぱコイツら本物だ。

曲が体に染みついてるとはこういうコトを言うのか。CD通りのクオリティにライヴの躍動感が加わって実に爽快なグルーヴだ。
次の曲"Pyramid"。これもリフが主体に進んでいく曲だ。

そして彼らの本領は次の"Apple Tree"の冒頭で発揮された。
ジャン!と一音かき鳴らしてから速射砲のように言葉を浴びせるパートを繰り返すこの曲の冒頭、Andrewのギターにトラブルが発生し、音が出なくなってしまった。強引に押し切ろうと試みるもやはりうまくいかない。
ba.のChrisはそれを見るやすぐにブレイクパートをつくり、客との掛け合いを始めた。客と掛け合いながらジャムっぽい演奏をベースとドラムでしている間にギターを修正して曲に復帰した。曲の勢いを止めることなく素早く対処する術も身につけていた彼ら。どこまで凄いんだ一体。

基本的にAndrewがアリガト程度しか言わないMCで、次から次へと曲を繰り出す感じの進め方。これもまた流れるようで見事だ。
i-PODソングの"Love Train"も序盤にいきなり出してきてびっくりした。
このバンド、一般的なロックファンにも充分受け入れられそうな音を出していながら、ボクにとってメタルバンド以上にヘドバンが凄く心地よい。やっぱグルーヴとリフの求心力が魂を揺さぶり、頭を振らせるんだろう。レポを書いてても、あの不思議な浮遊感と爽快感をどう表現すればよいのか未だに分からない。メリハリはあるのに体をそのまま音にあずけておける安心感があった。
AndrewのRobert Plantばりの声は自然に出ていて素晴らしかったが、目がいったのはChris。キーボードとベースを両方操る。キーボードを使う時はベースを後ろに回している。そのキーボードを支える支柱がバネのように前後左右に曲がるような仕組みになっており、演奏する時は狂ったようにぐりんぐりんする(うまく伝えられん)。とにかく彼がキーボードを弾いている間は当然ベースが空になるわけだけど、音の薄さは全く感じなかった。むしろ前座のツインドラムのバンドよりも低音は厚かったんじゃないかと思うほど。
そんなこんなで心地よいヘドバンをひたすらかましているところに必殺チューンの"Woman"が炸裂!ケイオスだ!
ポジション的には(スーツだったこともあり)若干後ろ目に陣取っていたので熱狂には参加出来なかった。凄く盛りあがっていたのは前列の一部だけだった感じもした。でもそんなことはカンケーなかった。ボクの心の中では大爆発が起こっていた。

"Woman"のあとはグルーヴィーな"Mind's Eye"で本編を終え、アンコールではLED ZEPPELINの"Communication Breakdown"も炸裂。まぁ、言うまでもなくドはまりですわな。
"Joker & The Thief"でガッツリ締めくくり帰っていった。ゼップのカヴァー含め全14曲。要するにアルバムから全曲やった。

ここまで読んでいただいた方は分かると思うケド、とにかくとっちらかったレポだと思う。ただ、どうまとめていいのか分かんないんだよね。
文中でも書いたけど、メリハリはあるのに体をあずけられる陶酔感が全体に漂っていた。それは恐らく、彼らの演奏力が終始一貫して高かったからだと思う。

安易には書きたくないけどさ、とりあえず書いとくよ。

今年のベストライヴ、もう決まっちゃったかも。

WOLFMOTHER are:
vo/g. Andrew Stockdale ba/key. Chris Ross dr. Myles Heskett





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Last updated  2007.02.01 18:56:57
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