she says... but who's reading?

Bad Boys Rock N’ Roll Forever

　今回のレポ、どう書いたもんかとちょっと考えたけど、通常のレポのように1曲1曲こんなことがありました～的に書くのはやめてみた。なぜなら今回のMOTLEY CRUEのライヴは

Farewell Tour

　そもそも「解散」という言葉の重みだけど、近年は解散後に再結成するバンドは多数いて、ざっと思いつくままに挙げてみてもKISS, JUDAS PRIEST, MR. BIG, THUNDER, SCORPIONS、、、と、枚挙にいとまがない。ファンとしては当然バンドを続けてくれるに越したことはないのだが、その言葉が陳腐化しているのも事実。更に、解散ライヴといっても“全編お涙頂戴の最後感”を出しまくるライヴなんてほとんどなく、割とアッサリといつものようにこなすライヴが普通だと思う。その中で、例えばバラードのような曲をやったときに、今までの思い出がこみ上げてきて涙ドバーみたいなのがありがちなパターンというか。当然ファンそれぞれにとっての思い出があり、ツボがどこにあるのかは人それぞれであり、それぞれのファンにとってのストーリーがそこにあってしかるべきなのだと思う。

　個人的なMOTLEY体験を少し。聴き始めたときにはちょうどVinceが脱退する頃で、リアルタイムで初めて買ったのはJohn Corabi時代。一方でほぼ同時期に出ていたVinceのソロの1stはよく聴いた覚えがある。Vince復帰後のGeneration Swine発表では、BURRN!が初めてグループショットを表紙にしたという記憶がある。モヤがかかったようなあんまりカッコイイ写真じゃなかった気がするが。ライヴの体験としては記憶にある限りは今回を含め4回。さいたまスーパーアリーナでBUCKCHERRYを前座に迎えた時は2日とも観に行った。Tommyが天井近くにある2つのドラムセットを飛び交うセットの回だ。Loud Park meets Crue FestでのライヴとZEPPでのライヴが1回、これは彼らを近くで観られた貴重な機会だった。で今回だ。

　今回はあまりよい席ではなく、全体的なサウンドも完璧という感じではなかったがそんなことは今回に限ってはたいした問題ではない。セットリストはツアーを通して全く同じだったようで、期待された新曲All Bad Thingsも演奏されなかった。個人的にはOn With The ShowからToo Fast For Loveの流れに興奮した。最後をHome Sweet Homeにして、会場中央のサブステージで演奏し、スクリーンには今までの歴史が流れるという演出は見事だったと思うし、演奏終了後、感謝をしてすぐに立ち去るあたりも彼ららしい去り方だったと思う。ちなみにHome Sweet HomeではなくSame Ol’ Situationがボクにとってのウルッときたポイントだった。理由は分からない。

　Vinceは前述の通り席が遠く、素敵なお腹をじっくり確認することはできなかったけど、声はよく出ていたように思う。Tommyは曲中はスモークまみれで全く顔が確認できなかったけど、それが逆に斬新だった。毎回楽しませてくれるドラムソロは今回はローラーコースター。スケール感のデカさ、そしてそれを実現させてしまうクルーも含めてグレイトだった。Mickは以前観たときに比べるとよく動いている印象があったし、彼の存在感は個人的に大好きだ。ギタープレイも含め、彼には常に惹き付けられた。そしてNikki。MOTLEYが終わっても一番精力的に活動をしてくれそうなのが彼だ。わざわざ通訳を連れてきての感謝のMC、いつまでも色褪せないルックス。ビジネスパーソンとしての側面を含め、常にストイックな彼の存在は唯一無二だ。

　改めて書くけど、解散は最近は特にそこまで重い出来事ではないし、再結成すればファンとしてはやはり嬉しいのだ。解散とはバンドにとっての問題であり、現時点での最善の判断をしているということ。MOTLEY CRUEの場合はどうか。30年近くのキャリアがありながら、メンバーチェンジがありつつもコンスタントに活動を続けてきた。そんな彼らの「解散」という言葉が同じかどうかは時間を経てみないと分からない。今の段階で言えることは、ニッキーの言葉の通り、彼らが創った素晴らしい曲の数々は永遠にボクらの心の中に残るということだ。

Thank you MOTLEY CRUE for all the great music and shows. Our memories will never fade away.

MOTLEY CRUE are: ba. Nikki Sixx, vo. Vince Neil, g. Mick Mars, dr. Tommy Lee

§ぽっぷびぃと§