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カテゴリ:live talks
Still Shining
今回のPRIEST公演はもともと武道館だけであれば行く予定はなかった。しかしその後追加公演が決まり、それがEX THEATER六本木ということで、前回のベビメタの豊洲PIT同様、行ったことがない会場ということで行くことにした。 六本木駅から10分程度歩いたところにある会場は、THEATERの名前の通り電光掲示のある門が演劇場のような雰囲気をもつ入口。入場口が3階にありアリーナに行くにはどんどん下に降りていかなければならない。階ごとに小さいもののロビー的な感じで椅子があるところは国際フォーラムに似ている感じがしたし、ロッカーの感じは渋谷AXのような雰囲気もあり、会場の中は赤坂BLITZのようでもありと、なかなか興味深い構造だった。 年齢層は予想通り高かったので、今回のスタンディングの会場は不人気だったか、1,200人程度のキャパの会場でも満員とまではいかなかった。とりあえずスタンディングの後方から観ることにした。 定番のBLACK SABBATHのWar Pigsから場内が暗転し、ステージを覆っていた幕が下りる。ヘヴィメタル劇場の開幕だ。Dragonautからスタートさせたバンドの音はすこぶるよい。この会場の音響の良さも影響しているのだろうが、各パートの音がはっきりと聞き取れるというのはいいことだ。そこからMetal Godへ繋ぎ、往年の名曲と新譜からの曲をバランスよく配置していた今回のセットリストだったわけだが。前回武道館で見ていたセットリストを確認してみると、曲数は圧倒的に今回の方が少ない。しかもその中に新曲が4曲も入っていたこともあり、名曲を多数持っているこのバンドのファンからすれば「あれも、これもやっていない」との声は出てしまうだろう。Living After MidnightがないPRIESTのライヴは個人的には初めてだった。ただ、直前の公演ではやったりやらなかったりだったPainkillerとElectric Eyeを炸裂させてくれたのはありがたかったね。 背景はバックドロップではなくスクリーンになっており、曲ごとにアルバムジャケットやイメージ映像が切り替わって楽しめた。ただ、Breaking The Lawの時にBritish Steelのジャケットが映し出され、たのはいいのだが、時々その指の部分から赤い血がタラ~っと流れてくる、のはいいのだが、その映像が粗くて笑った 今回ひときわ目についたのがRichie Faulknerの躍動感だ。前回は加入したばかりで遠慮していた部分が多かったのだとは思うが、今回は客の煽りを含めてかなり前に出てきた。そしてそれはボクとしても好意的に受け止められるアクションだった。 でもやっぱり一番好きなのはIan Hillなんですよね~。やっぱあのMalcolm Young的な立ち位置でひたすらそこにとどまって弾きつづける、まさに縁の下の力持ち的な雰囲気が今回も最高だったわ。 で、今回の公演ではRobの声が絶好調だったことが仕切りにいわれているようだが、個人的には前回もそれほど酷かった気はしなかったし、やはり全盛期のライヴ盤とかと比べてしまうと鋭さがないとは感じた。 ただそこで毎回ながら感じてしまう年齢との戦い問題である。 奇しくも2月3月で来日していたバンドがMOTLEY CRUE, KISS, JUDAS PRIESTと古き良き時代を牽引してきたヴェテランバンドばかりである。当然ながらもう50代60代を迎えている彼らに20代の頃の活きの良さを求めるのは酷というものだ。かといって単なる懐メロ大会なのかというとそれもまた違うだろう。彼らが今まで背負ってきた貫禄は20そこらのバンドには出せないものだ。単純にハイトーンの高さとか、跳んだり跳ねたりする元気さとは違う(メタル的に言っちゃえば)荘厳さが、そこに存在していると思う。そういう意味で、やはり彼らはメタルゴッドであった。この感覚はPRIESTのライヴに来なければ味わえないのだ。 若いバンドで武道館やさいたまスーパーアリーナクラスを満員に出来るバンドがいないという現状と、そういう会場を満員に出来るバンドは既に歳を取っているという現状。どちらも悲しい現実ではあるが、じゃあどっちも観に行かないのか、というとそれは違う。結局いつもの結論になってしまうのだが、観られるときに観ておく、ということは何より重要だ。次があると思ったら突然解散してしまったり、メンバーが死んでしまったりということは多々起こるのだ。 歳を取った彼らということを踏まえて観ればいい、その中でも良い、悪いを感じ取ることは出来るはずだ。そして若いバンドにはこれからの大いなる可能性を期待すればいいはずだ。 昨今、必ずと言っていいほどいわれている、CD販売の不振とツアーでしか稼げないという実情。結局これを支えているのは我々ファンであり、ライヴに足を運ぶことで、もしかしたら活動休止を辞めさせているということがあるかも知れないのだ。当然ながら時間と金銭の兼ね合いもあるし、何から何まで観ることはできないが、特にこういったヴェテランバンドを観る意義が、存在していることは事実であることを認識したライヴだった。 ということで後半は考察的な感じになってしまったが、そんな機会を与えてくれたことも含めて、観てよかったと思えるライヴだったし、次回もし来ることがあれば、迷うことなく足を運ぶであろう。 JUDAS PRIEST are: vo. Rob Halford, g. Glenn Tipton, ba. Ian Hill, dr. Scott Travis, g. Richie Faulkner §ぽっぷびぃと§ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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