カテゴリ:四コマ・マンガの世界
今日朝日の朝刊に目を通してビックリしたのですが、「ののちゃん」が3,000回を迎えたのだそうです。
その記事を読んで、いろいろ忘れていることに気づきました。以前は「となりのヤマダ君」だったんですね。タイトル自体が変わったことに、あまり気がついてなかったように思います。そういえば、そのタイトルのアニメ映画もありましたから、気がつかないほうがおかしいのですけど。 三千回ということもあったのでしょうか、ここのところ「ののちゃん」は調子がいいですね。 2998回ですから、9月18日付け朝日の「ののちゃん」は、傑作ですね。5コマ目が読者の想像力によって浮かんでくるように作られているのですから。もっとも、後でお知らせするように、人によってその想像の向かう先は微妙に違うようですが。まさに、読者受容論ですよ。 さて、どんな話かというと、場所はどうもフードコートのようです。おばあさんと松子さん、ののちゃんが買い物を終えてでしょうか、フードコートの座席確保を試みている様子です。 1コマ目 おばあさん・松子「よっしゃ 席とった!」 そう言って、ドサッと荷物をテーブルに置きます。荷物をテーブルに置いたことが、後でボディーブローのように効いてきます。 2コマ目 松子「のの子はなににする?」 ののちゃん「ハーブソーセージ チリドッグ ミラノ風!」 なんだか判らないものを注文しようとするところが、次のミソですね。この時点でののちゃんは席に坐っています。松子さんは、彼女を席番にここに置いて、注文に行こうと思っていたのでしょう。 3コマ目 松子「わからん いっしょにおいで」 こういう説明を付けていると、何が起きるか分かってしまいそうなものですが、荷物を置いたまま、ののちゃんを連れて、三人で注文に行きます。それが3コマ目。 4コマ目 「ほー なるほど そうきたか。」 このセリフに噴出しはありません。喋っているのはおばあさんなのか、松子さんなのか、まったくわかりません。最初、何を言っているのかもよくわかりませんが、そのうち、よく絵を見てみると、イスがなくなっていることに気づきます。 そうです、鵜の目鷹の目で席とりをしている他の人たち(一切描かれていません)は、テーブルに荷物を置いてしまっている状況から、何も抑えられていないもの、すなわちイスを持って行ってしまったのですね。 面白いのは、この4コマ目の松子さん、おばあちゃん、ののちゃんがそれぞれコマの外側に視線を送っていることです。しかもいくらか険しい目つきで。正確に言うと、おばあちゃんは左側、松子さんとののちゃんは右側に視線をやっているのです。 ここで解釈が分かれました。ケイトは、その視線の方向にはさほど意味がない、ここから5コマ目を読もうとするのは、読みすぎであると主張しましたが、Rokku とダンは、いやいや、この視線の先にあるのは、空いているイスである。「そうきたか」というセリフの後には、「それならこちらだって」と、早くも隙あらば空いているイスをいただきに行こうとしている三人のすばやい行動をこそ読むべきだろうというものだったのです。 これはなかなか絵を見ないと、分かっていただけないかもしれませんが、Rokku にはありありと5コマ目が浮かんできます。この三人が立ったまま食べるとは思えませんからね。 必見ですよ。この「ののちゃん」2998回目は。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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