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テーマ:ボディワークのすすめ(485)
カテゴリ:ボディワーク
「(ボディワークの)臨床家ではない研究者たちは、各種ボディワークを間違った考えのもとに、質的に異なる技法―マッサージ、理学療法、手技療法など―と一括しようとします。そのような方法は、それ(ボディワーク)を調査するために企画された学問を打ち消してしまいます。・・・ボディワークのカテゴリーは、そのような種類の技法とは意味的に大きく異なっているのです」
これは、ロルファーであり、ソマティクスの研究家/臨床家であるドン・ハンロン・ジョンソンの言葉です。彼の言葉に沿うのであれば、スウェディッシュマッサージ、リラクゼーションマッサージ、スポーツマッサージはボディワークから外れるし、理学療法や作業療法はもちろんボディワークではありません。各種手技療法も違うし、日本で生まれた温熱療法は、もちろんボディワークには入りません。 アイダ・ロルフから直接教えを受けたロルファーのピーター・メルキュアが、アイダ・ロルフからロルフィングに従事しないかという誘いを受けたとき「これからボディワークにとっては厳しい時代になるだろう。代替医療という時代が、ストラクチュアルインテグレーションの行き場を奪ってしまうかも知れない」とその時の気持ちを語っています。 ところが、バリー・R・キャシレスという研究者が書いた「代替医療ハンドブック」には、ロルフィングが代替医療として挙げられています。彼女は臨床家ではありません。先述のロルファー、ドン・ハンロン・ジョンソンが懸念した「臨床家ではない研究家」のミスジャッジにより、ロルフィングは代替医療として取り上げられてしまっています。 もちろん、ロルファーによる認識違いも起こります。ドン・ハンロン・ジョンソンも、どう考えてもボディワークと分類されないものをボディワークとして紹介していると思われることもあります。ボディワークはサブカルチャーの延長だと考えているロルファーもいるようですが、歴史の誤認でしょう(この辺は、ボディワーク入門第二段できっちり説明していく予定です)。ロルフィングは僅か「数分」で身体を「ゆるめる」ものだと宣伝したロルファーもいますが、ロルフィングは10セッションを通じて身体を統合するものです。 *********************** ついでに、熊本のクライマーさん、ボディワーカーの中には、もともとは手技療法家だった方やマッサージから始めた方もいらっしゃるので、ボディワークとしての経験がどれくらいかを確認してみてください。ボディワークと手技療法は身体を扱うという面では「似て」いますが、目指すものは全く違う、つまりは使うアプローチ(技術)は別ものです。ロルフィングを受けたいと望まれるのでしたら、ロルフィング歴が長い方を選ぶとよいのではないかと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.08.22 01:32:22
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