今年初めて夏のように日中暑くなったのでした。
半袖シャツでも歩ける土曜日の午後です。あさちんとサン・マルティーノ・アイ・モンティ教会の
地下遺跡見学会に参加してきました。
地下は冷え冷えとして長袖でも寒いくらいです。
4世紀初頭に司祭エクイティウスが
ローマ教皇シルウェステル1世(のちに聖人)に寄進した礼拝所が由来で、
その後6世紀に教皇シンマクスが聖マルティーノを称えるために
教会を建てたのでした。
3世紀の煉瓦を使用した古い建物を、
現在の教会の地下数メートルの所にほぼ完全な形で見ることができます。
前方の祭壇のところの階段を下りると
半地下にクリプタ(地下礼拝堂)が見えますが、
正面に向かってこの左手に地下遺跡への階段があります。
一般にも公開しているようですが、
いつでも開いているわけではないようなのでご注意下さい。
まずは11×18メートルの広い中央ホールがあり、
かつて道路に面していた玄関の中央ポーチも見えます。
これらの部分は、生活空間としてではなく、
どうやら商業的に食糧倉庫、あるいは店舗などの目的に
用いていたようです。
3世紀の白黒のモザイクの床、
聖母子と聖人たちを描いた4世紀のフレスコ画が残っています。
12世紀から使われていた祭壇には
聖シルウェステルの足元にひざまずく教皇シンマクスを描いた
フレスコ画があります。
この教会を地下に残す形で、
ローマ教皇セルギウス2世とその後のレオ4世の時代(9世紀)、
現在の地上に当たる場所に教会が造られました。
その後、司祭ジョヴァンニ・アントーニオ・フィリッピーニが
建築家フィリッポ・ガリアルディに依頼して
1636年から31年間にわたる大修復をさせて、
ほぼ今の教会の形になったと言います。
後陣を見ようと、
教会右手のエクイツィア通り(司祭エクイティウスの名の
イタリア語読みから取った)を
教会に沿って降りていくと、
明らかにめちゃくちゃ古いと分かる凝灰岩の壁が剥き出しになっています。
あさちんと「もしかしてセルウィウスの壁かねー」と言っていましたが、
本当にそうみたいです。
ここを下ると、サン・マルティーノ・アイ・モンティ広場に出て、
教会後陣のかわいらしい丸々とした鐘楼が見られます。
トラヤヌス浴場の煉瓦を使って建てられた
中世の貴族グラツィアーニ家とカポッチ家の
2つの塔がそびえるのもこの広場。
まだまだ見たことのないローマの地下遺跡は
わたしを呼んでいるけれど、
果てしなく広がっているので全部を訪問しきれません。
今週末から恒例のイベント
ROMA NASCOSTA(知られざる秘密のローマ)があります。
ローマ在住で地下遺跡に興味がある方は
ぜひガイドツアーに参加してみて下さいね。
ガイドさんのお話を聞いていると、
古代ローマにタイムスリップしてしまいますよ。