21日、22日はアルジェンティーナ劇場に
11代目市川海老蔵丈の歌舞伎公演を観に行ってきました。
演目は『義経千本桜』から
「鳥居前」、「吉野山」、「川連法眼館」。1日目の座席は下手側、4階席。
花道の真上です。
下手の演技は見えない場面もありましたけれど、
この位置で歌舞伎を見られるなんて、まず有り得ないので、
とてもおもしろかったです。
花道が上から全部見えるのです。
はじめ、揚幕がシャリンと鳴って
静御前が花道から登場しますが、
多くの観客は気付かなかったようで、
後ろを振り返る人がとても少なかったです。
歌舞伎のこの、花道を使うという趣向が
どれだけ特徴のあるものかというのが分かります。
海老蔵の忠信、隈取りが映えています。
下ぶくれ気味なのがこの化粧には生きていると思います。
それにしても海老蔵、この隈取りもさることながら、
涼し気な表情の若武者姿、かわいらしい狐の姿、全てが似合っており、
さすが名門の御曹司だなと思いました。
ナポリターノ大統領やローマ市長アレマンノも観に来ました。
1日目はやはり招待客が多かったのでしょうね。
上から見れば前の方に空いている席がちらほら。
「うちらに譲れよ~」と思いました。
カーテンコールでは
早替わりの種明かしをしてしまうハプニングもあったようです。
2日目は奮発して80ユーロの1等席、前から3番目でした。
それでも日本で見るよりはるかに安いので、得した気分です。
海老蔵の目玉の動きまでよく見えました。
前でよく見えたからかもしれませんが、
「吉野山」の踊りが1日目よりも更に素晴らしかったと思います。
早替わりなどの外連(ケレン)もよくできていて、
イタリア人のお客さんも楽しめたと思います。
2日目はチケットを自分で買って来ている人ばかりと見え、
観客の盛り上がり方も1日目とは全く異なり、
役者さんたちにもそれが伝わったのではないかと思います。
最後にイタリア人のお母さんと娘さんに話しかけたら、
「今まで観たお芝居の中で一番素晴らしいものだった」と
興奮して感想を話してくれました。
とても美しい静御前の中村芝雀丈。ブログはこちら。
笛方の田中傳太郎さんのブログはこちら。
同行の友人のブログもぜひご覧下さい。
海外にいて日本文化を誇れるなんて、
これほど嬉しく心強いことはありません。
また歌舞伎が観たくなりました。
わたしは実は20年くらい前から歌舞伎を観ているのですが、
最も印象に残る出し物の一つとなりました。