ウチの若社長が、
わたしと入れ替わるようにして日本に
2週間のプライベート旅行に出たのでした。
弁護士の卵でしっかり者の彼女がいるから
安心していたのですけれど、
それでも滞在中に何度も電話はかかってきて、
「オレ、国際免許証って持ってないけど大丈夫か?」とか
「別府の旅館は現地払いかバウチャーか?」とか
「レンタカー借りる日変更!」とか
直前に言ってくるもんだから、
もう心配で心配でなりませんでした。
全然英語は通じないし、
訳の分からないことばかりだったらしいですが、
どの国への旅よりも、滅茶苦茶楽しんできたようです。イタリア人にとっては何もかもが異なる国。
日本料理は好きだけれど、ローマで食べる
スーシとテッパンヤキだけしか知らないから、
日本人が意外とジャンキーなものばかり
食べていることに驚き、
店員さんたちの機械的な挨拶は笑いのツボだし、
でも会う人会う人みんなが
親切だったと言っていました。
妙なイタリア人カップルに親切にしてくれた皆さん、
どうもありがとうございました。
2人は本当に喜んでいます。
わたしには当たり前すぎて普段気付かないけれど、
携帯電話で撮った写真や動画を見せてもらったら、
確かにイタリア目線だとおかしいことだらけなんです!
旅館で出てくる焼き魚、白米、味噌汁といった
和朝食のボリューム(イタリア人の朝食は
クロワッサンとカップッチーノです)、
渋谷の109でマネキンの服を替えながら
「どうぞご覧下さ~い」とアニメ声で繰り返す店員さん
(マネキンに話しかけているように見える)、
銀行を立ち去る際に担当の人が
「ありがとうございました」と言った後に
行内の20人いたスタッフ全員が
「ありがとうございました~」と繰り返したその様子。
どのエピソードもなるほど、
日本文化を知らなければ笑い話になってしまいます。
それから、
わたしの知り合いにも何人かに会ってきたのですが、
わたしが7月に帰ったことをみんな知らなかったので、
「どうして連絡くれないんだって言っていたぞ」。
す、すみません…
「それにしても何で日本人はそんなことで怒るんだ?」。
でしょ~?(小声)
いずれにしても彼らのカルチャーショックは
身近にわたしがいるからまだ軽い方だと思いますよ。
それにしても色々な意味で、
日本はまだまだ観光国家とは言えません
(もっとも放射能や地震の問題がありますしネ)。
実際に、その実態がまったく知られていないし、
英語が全然通じなかったって。
あんなに人口多いのに…。
明らかにこちらが外国人なのに
日本語で話しかけてくるのが不思議だそうです。
確かにネ。
でもそれらの不便さに
人々の優しさと物事の興味深さが勝るから、
結果オーライみたいですよ。
最近はわたしの周りでも
日本を旅行するイタリア人というのが増えてきました。
わたしからの良い影響なのかしらん。
職場の近所の食堂の娘さんが
12月に行くハネムーンに日本を選びました。
もちろんアドバイザーはわたくしです。
2年前には友人のジャコモとディアーナが
ひとみちゃんのお世話になったし。
ところで同僚のマッテオは数年前から、
「2年後の夏に息子と日本に行くんだもんねー」と
言っています。
その2年はもう4回くらい過ぎましたよ。