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テーマ:近代化遺産を歩く(146)
カテゴリ:検見川無線送信所
久しぶりに検見川送信所についてです。
これまで千葉市に対して求めてきた、保存に向けての調査費用の予算計上が、 今春正式に決まり、当座の目標は達成された状況です。 しかし、これから建物の劣化状況を調査して、 その結果、補修計画を策定して……となると、 現実はとても悠長な話であることも事実です。 時の経過は容赦なく、 そうこうしているうちにも建物はどんどん劣化していく。 「検見川送信所を知る会」としても、 ただ単に行政に対する働きかけで終わるのではなく、 自主的な行動を起こすことよって、 保存に向けての機運を醸成していきたいと考えているのですが、 その中で喫緊の課題として、 送信所周辺の水はけ対策が必要なことがわかりました。 送信所の閉局後、送信所も含めて周辺は 千葉市の土地区画整理事業区域に設定されており、 送信所は造成時に排出された残土置き場になっています。 その残土が送信所建物周囲にうずたかく積まれ、 1階が半地下の状態になっていて、 雨水が扉跡や窓から建物内に入り込み、より劣化が進む懸念があります。 そこで、周辺の草を刈り、残土の一部を取り除いて溝掘りをすることで、 扉跡周辺の水はけをよくすることを企画しています。 これを、行政にすべての対応を求めるのではなく、 「知る会」と建築家協会が音頭をとって 広く一般から作業に従事してくれるボランティアを従事し、 基本は自分たちが直接作業に携わろう、という趣向。 こうすることによって、より話題性を惹起し、 また地元にも保存に対する理解と機運が盛り上がるのではないか、 と考えています。 そういうわけで、今日は久しぶりに送信所へ向かいました。 「知る会」や千葉県建築家協会のメンバー数名と建物周辺を歩き、 うっそうと茂った雑草の様子と、溝掘り予定箇所を検分しました。 当初は人海戦術により、スコップ等で残土の除去ができるかな、 と素人考えでいたのですが、意外にも残土の量が半端ない状態であり、 実際にはショベルカーの動員も考慮する必要がありましょう。
その後、JR新検見川駅の無国籍料理屋で談笑しつつ、 具体的な取り組み内容や実施時期について打ち合わせ。 今年は、検見川送信所から日本で初めての国際放送が成ってからちょうど80年。 この記念すべき年に、保存を象徴するような行動を起こすことが、 世間に対しての大きなアピールになることを信じています。 早ければ今年の秋には実施する予定です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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