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テーマ:在日米軍基地(41)
カテゴリ:街・建物
休日のウォーキング定番コースには、
大きな電力高圧線をアンダーパスするところがあります。 この高圧線は、はるか上越国境の向こう側、 新潟県で発電された電力を首都圏に送る大動脈幹線。 そんな重要な電力高圧線が、 さりげなく狭山市内を縦断しています。 そしてこのあたりは、航空自衛隊入間基地の滑走路への アプローチエリアにもなっています。 先日の日記にも書いたとおり、 毎年11月3日は航空祭で沸き返る入間基地ですが、 しかし基地の街にはそれなりのリスクもあります。 今から12年前。 わが家が大阪から引っ越してきて2年ほど経った1999年12月。 入間基地にアプローチしていた練習機がにわかにエンジントラブルに陥り、 入間川の河川敷に墜落するという事故が起きました。 残念ながら搭乗していた2隊員は殉職しましたが、 墜落場所の目と鼻の先に、下写真のような新興住宅地が広がっており、 一歩間違えれば大惨事になるところでした。 後にフライトレコーダを解析したところでは、 操縦していた隊員が必死で住宅地墜落を免れるような 操縦の軌跡が残されていて、 それはそれで美談にもなったのですが、 しかしその代償として、 墜落時にくだんの高圧線に機体が触れて電力線を切断してしまい、 一瞬にして埼玉県西部や東京都区部を含む東京都西部が 大停電に見舞われました。 新宿の副都心もいきなりの停電が襲い、街はパニックに陥ったと言います。 さらに歴史をさかのぼれば、 1945年の終戦を境に、基地が30年にわたって米軍に接収され、 『ジョンソン空軍基地』という名称になったことがありましたが、 その時代にも何度か墜落事故が発生し、 時には宅地に突っ込んで民間人が犠牲になったケースもあります。 基地の街は税金が安い (実際、狭山市は近隣の自治体よりも住民税が安いんです)とか、 基地の存在あっての産業が隆盛するとか、 メリットはさまざまありますが、 しかし、こういうリスクも常につきまとうことも事実。 国民を守るはずの基地が、国民に刃を向ける。 何とも皮肉な話です。 沖縄の米軍基地に比べればレベルは小さいかもしれませんが、 こういうリスクを考えるにつけ、 沖縄県民の憂鬱も理解できるところはあります。
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最終更新日
2011年11月07日 07時35分57秒
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